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がんばりすぎずにあるこうや。

J1第19節 黄金世代のタクト

2012 Jリーグ Division 1
第19節 鹿島アントラーズ△2 - 2△サンフレッチェ広島
鹿島:11位(勝点18)→11位(勝点19)
広島:1位(勝点36)→1位(勝点37)

土曜日にひさしぶりにJ1の試合を見てきました。場所はカシマスタジアム。この日はフレンドリータウンデイズ「つくばの日」ということで、つくばの名産特産の販売があったり、メインスタンドのコンコースではPRステージが設けられていたり(なぜフラダンスだったかはわからん!)、セグウェイが走っていたり。サイバーダインはHALの開発以降プロモーションに積極的ですなぁ。鹿島の人たちに少しでもつくばを知ってもらえたかしら。

両チームのスタメンを振り返っておきます。まずホームの鹿島は、GKに曽ヶ端。4バックは右から、西大伍、岩政、青木、新井場。インサイドハーフは小笠原と柴崎岳のセット。右に遠藤康、左にドゥトラがそれぞれ開き、ツートップに大迫とジュニーニョです。対する広島のGKは西川周作。バックラインは、石川大徳、森脇、千葉、水本の4人。ボランチに青山と森崎和幸。2列目には石原直樹、高萩、清水航平が並び、最前線に佐藤寿人が待ち構える4-2-3-1でスタートです。登録上スリーバックシステムの広島ですが、この日はほとんど4バックでしたね。

すっかりJ2に浸かってしまってJ1の様子があまり把握できていない今シーズンですが、仙台と広島という近年では珍しい(とどうしても思ってしまう)2チームが首位争いをしてるんですね。広島の佐藤寿人は先日通算100ゴールを達成して、今シーズンもぶっちぎりのリーディングスコアラー。開幕当初勝ちなしが続いて下位に低迷した鹿島も、復調して現在は中位集団。カード的には悪くないし、好ゲームも期待できると思っていました。

序盤は両チームとも決め手に欠ける不完全燃焼な展開で、これといったインパクトもなく進んでいってしまいました。広島の分厚い攻めの形に対して鹿島もしっかりと守備のラインを敷いて待ち受け、前線に効果的な縦パスを入れさせない。左サイドの清水航平はたびたび西大伍の裏を抉ってペナルティボックスに近づいて行きましたが、その次のラストパスの精度がよくなくてフィニッシュチャンスまでは作れていませんでした。鹿島の真ん中の守備ブロックはとても堅牢でしたね。ただ鹿島の攻めも、鋭い縦パスを何本か大迫へ通すものの、そこでも収まりがもうひとつよくなくてシュートまでは行けていませんでした。そういう展開が長く続いたので、いつしかお互いに中盤から後ろでゆっくりボールをまわして機をうかがうような感じになって、そのままダラダラと時間だけが過ぎるという状況に。

なんか盛り上がらないなぁと思った矢先、39分の佐藤のゴールから一気に試合が動きます。前半の追加タイムには大迫がゴールを決めて、1-1で折り返し。ゴールはいずれもミス絡みのものでしたが、特に広島の失点は「やっちゃいけないミス」でした。西川と千葉がひと言声をかけ合えばよかっただけですからね。ただ、同点で前半を終えたことで後半の入り方がオープンになり、第三者的にはより面白い展開になってくれました。

後半早々にはセットプレーから広島が勝ち越し。森脇はよく粘って諦めずにボールをゴールへ押し込みましたが、高さで勝る鹿島がああも簡単にセットプレーで負けてしまうというのが衝撃的でした。ハードな守備には定評のある岩政と青木剛がいるわけですからね。この日の広島のセットプレーはそれほど多くなかったはずですが、そういう少ない中できっちり守れないところが今の鹿島の弱さのひとつではあるのかなと。

ビハインドになったジョルジーニョ監督は、良さを出し切れない遠藤康と快足を封じられたジュニーニョを諦め、新加入のレナトとゲームメイカーの本山を投入しました。この本山の起用は抜群に効いてましたね。大迫と柴崎の間にボールのおさまるポイントがひとつできたことで、鹿島は攻撃への転換が格段にスムーズになりました。左でドゥトラレナトがゴリゴリと押してくるスピードアタックをかけたことで、右でのテンポのいいパスサッカーが引き立ったのもあると思います。2度目の同点ゴールはそういう形で見事に広島の左サイドを崩しきっての大迫のフィニッシュ。鹿島にはこういう強みがあるのだと印象付けるに十分なゴールでした。

本山と同じく強く印象に残ったのは、左サイドバックの新井場です。長年にわたり鹿島のディフェンスラインを支え続けるベテランサイドバックは、周りを活かすことと自分が活きること、その使い分けが非常に巧い。ドゥトラジュニーニョのスピードを活かすために動き回ってスペースを作り、また時には彼らの動きを囮にして自らドリブルで持ち込んでゴールを狙う。ボールを奪われた時も危険なエリアを瞬時に察知してパスコースを消し、楔のボールを入れさせない。とにかく気が利いてるんです。柴崎や大迫など若い選手も頭角を現している鹿島ですが、曽ヶ端や小笠原を含めた"ゴールデンエイジ"の影響力はやはり大きい。彼らがチームの土台をしっかり支えているからこそ、若手もその才能を開花させ成長できるのだと思います。

湿度も高く終盤動きが重くなりがちな中で、両チームとも最後まで走って全力を尽くしたはずです。期待に違わぬなんとも素晴らしいゲームになってくれました。鹿島はサポーターの応援もすごく迫力があって、広島も負けじと声を張り上げていて、スタジアム全体が闘っていました。こういう雰囲気はいいですね。気持ちが盛り上がってきます。

以前から一度食べてみたいとずっと思っていた、夏の名物「メロンまるごとクリームソーダ」にやっとありつくことができました。メロンの果汁が溶け出して、甘くてすっごく美味しかったです。冷たすぎておなかこわすかと思いましたけどねw カシマスタジアムはグルメが本当にどれも美味いので、行くのがいつも楽しみです。アウェイ側だとこのグルメが味わえないんですよね。J1に昇格してからも、鹿島とのアウェイゲームはゴール裏じゃなくてバクスタにしようかしらw

[J'sGOAL]【J1:第19節 鹿島 vs 広島】レポート