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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第12節 スタンドアローン・コンプレックス

2013 Jリーグ Division 2
第12節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●愛媛FC
9位(勝点15)→8位(勝点18)

3年連続の大型連休開催になった愛媛とのホームゲームは、2-0で5試合ぶりの勝利となりました。連休中のナイトゲームということでちびっ子たちもたくさん来ていて、動員は久しぶりに10000人を超える大入りとなりました。そんな日にきちんと結果を出して勝てたというのは大きいですね。次の動因の繋がるといいねぇ。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。バックラインは変わらず、米倉、竹内、山口智、大岩の4人。ボランチ佐藤勇人佐藤健太郎のセット。2列目は田中佑昌、兵働と、今回はジャイールが左のサイドハーフ。最前線にケンペスです。谷澤は今回はベンチスタートでしたが、結局出番はありませんでしたね。

前半の出来はそりゃもう酷いもんでした。前節に開始6分で2失点して長崎に敗れた愛媛が、試合開始直後から思いっきり前に出てプレスをかけてきて、その迫力に気圧されて気持ちが萎縮してしまいました。動きも固く周りも見えておらず、ボールを持っても簡単にロストして逆襲を食らうばかりで全く攻め手がない。サイド、中央と全面に渡って愛媛に主導権を握られ、終始防戦一方でした。愛媛のフィニッシュの精度と岡本の奮闘に助けられてなんとか無失点で切り抜けましたが、あのバーに直撃したコーナーからのショットがゴールインしてしまっていたら、おそらく逆転するのは不可能だったでしょう。えらく単純なバックパスですらターゲットがずれてあわやピンチになってしまうような、グッダグダの状況でした。前半終了時にはブーイングも起きましたが、それもそうでしょうよ。

開幕以来すでに顕在化していることですが、今のこのチームは攻撃の際の判断が致命的に遅く、一人ひとりのプレーがすべて単発になって連動性を欠いてしまっています。アタッカーが孤立して常に数的不利な状況でプレーをしていて、これではなかなか試合の主導権を握ることが難しい。ジャイールの推進力を生かすために、たとえばその前段階でトントンと左右にボールを動かして相手をボックスから引き剥がして、バイタルエリアに穴を開けておくとかそういうことができればいいんですが、戦術共有が出来ていないためにそういう動作が少なく、相手のディフェンスに的を絞らせてしまって簡単に網に引っ掛けられてしまいます。修正のための対策はしているはずなんですが、一朝一夕にうまくいくものではないのかなぁ。メンバーを固定している以上はそこは踏ん張るとこなのだということなんでしょうか。

後半に深井とナム・スンウが入って、これで大きくチームのリズムが変わりました。兵働を1列下げたことで、運動量を抑えながら攻撃のスイッチを入れる役割を明確にすることが出来るし、スンウは平面でのセカンドポストとして十分なポテンシャルを持っていてある程度自分でボールを運ぶことも出来る。深井は左サイドで労を惜しまずボールを追って走り続け、チーム全体のポジションの押し上げと、愛媛のラインを押し込むのに大きな貢献を果たしました。タッチラインギリギリまで、ボールが外に出てしまう瞬間まで全力で追いかける深井の姿には、選手たちだけでなくスタンドのサポーターも大いに感化されたはずです。前半からハイプレスを続けた愛媛が60分を過ぎて電池切れになったこともあって、深井とスンウ、右の田中佑昌や米倉の強みを十分に生かす環境が出来上がっていました。前半を無失点で乗り切ったのは、結果的には非常に大きかったわけですね。

京都戦、愛媛戦と、前半は非常に悪い流れにさらされながらも、時間を追うごとにピッチの中で修正して、悪いリズムを押し返していけるところまではきています。采配もうまく当たっているし、緩やかながらもチーム状態は上向きだと思いたい。今日の相手の岐阜はジェフにとってはもう天敵中の天敵ですが、辛抱強く機をうかがって我慢して、チャンスを作れたら確実に仕留めるような、そんな泥臭いサッカーでもいいからとにかく勝ちをとって帰ってきてほしいと思います。

[J'sGOAL]【J2:第12節 千葉 vs 愛媛】レポート