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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第14節 先行逃げ切り

2013 Jリーグ Division 2
第14節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 2●カターレ富山
6位(勝点21)→4位(勝点24)

一万人プロジェクトを掲げた試合でしたが、動員は9400人と残念ながらわずかに目標に届きませんでした。しかし、J2に落ちて以降動員が減り続けている中でも、努力次第で一定程度お客さんを増やせるのだと証明できたことは大きいと思います。招待券配布などのバクチをうってまで挑んだプロジェクトでしたから、これを一つの教訓にしてこれからまた努力していかないとね。

さてスタメンです。GKは岡本。バックラインはいつもの4人、米倉、竹内、山口智、大岩。佐藤勇人佐藤健太郎のダブルボランチ。前線はちょっと変更があって、田中佑昌が左のサイドハーフ、右はこの日31歳のバースデーを迎えた兵働。ケンペスと谷澤のツートップという形です。

試合開始早々と前半終了間際、後半の序盤と、いわゆる「いい時間帯」で得点をあげてリードを奪いことができて、結果的にこの貯金が最後まで生きた形になりました。1点目の兵働から米倉へのスルーパスは見事の一言。そして米倉がサイドからペナルティボックスに侵入すると、必ずビッグチャンスになりますね。ケンペスが「ゴールの半分はヨネのもの」と言ったように、類稀な縦への推進力を持つ米倉の強みが存分に生きた得点でした。2点目と3点目は相手のミスが絡んでのもので、兵働はまぁ言っちゃえば当てただけなんですけど、それがうまいこと守田の横を抜けてくれました。田中佑昌も鋭い良いクロスを入れましたね。田中はこれまでも右から何度もクロスボールを入れていますが、変にコントロールしようとしてしまって結局山なりのイージーなボールになってしまうことが多い。そうではなくて、右脚を振りぬいてスパッと低い弾道でDFとGKの間に入れれば、ケンペスも谷澤も合わせやすいと思うんだよな。現状フィニッシュチャンスが少ない分、そういうところで貢献していってほしいと思いますね。

テンポよく効率的に得点できたとはいえ、富山の中盤の組み立てと異常に高い最終ラインには、終始苦労させられました。ジェフがボールを持ってさぁ攻め上がろうかという状態になっていてなお、全員が40mラインより上にいるという驚異のハイライン。ミドルサードであれだけオフサイドを取られてしまうと、裏を取るパスもなかなか出しにくくなってしまいますね。田中や米倉は何度も狙っていましたけど、やっぱり結果的に引っかかってしまうことが多かった。右サイドには兵働がセットされていたわけですが、結果的には早い段階で米倉を1列上げてやるのもひとつの手だったかもしれません。守備のタスクを後ろに任せて裏を取って攻める役割に徹することができていたら、もしかしたら後半あそこまで押し込まれることもなかったかもしれないとも思います。

70分以降はジェフの運動量が極端に減ってしまい、中盤が富山のコンパクトな組み立てに対応できなくなってしまってずるずると全体のポジションが下がってしまいました。こうなると中盤より前に分厚く人数をかけている富山の術中にはまってしまうもので、不用意なファウル2つをいずれも得点につなげられてしまうという悪い展開。赤沼さんも指摘していますが、どちらもセットプレーから直接ではなくて、こぼれたセカンドボールの処理で後手を踏んで押し込まれてるんですよね。京都戦のバヤリッツァもそうでした。ようは一番最初のクリアランスが全く中途半端だということです。しっかりクリアできればポジションを押し上げる時間もできるのに、それに失敗するのでごちゃごちゃした中にボールを放り込まれてしまう。ゴールエリア近辺まで行ってしまうと、プレーの精度が求められるのはむしろ守備側になってしまうので、どうしたって不利ですよね。ここはもうちょっとしっかり対策を取って、練度を上げてほしいところです。こういう失点はもったいないですよ。

交代出場の深井とスンウが、愛媛戦のような活性剤になりきれなかったのも響きました。スンウは右脚をテーピングでぐるぐるに巻いていたそうですね。スンウの中盤のバランサーとしての能力はピカイチですが、あの時は兵働も明らかに電池が切れていたし、スンウの能力を発揮するにはきつい環境・状態だったかもしれません。あのタイミングなら、山口慶高橋峻希を入れて守備の部分で粘り気を追加してもよかったかもね。結果論ですけど。

最後はヒヤヒヤする展開になってしまいましたが、これで3連勝となりました。シーズンの3分の1を終えて24ポイントは、自動昇格を狙う意味ではまずまずの数字です。昨年よりも3ポイント少ない(勝ち数が2つ少ない)ですが、むしろ昨年よりも負け数が減っているのを好材料にとらえたいと思います。自動昇格圏までは1ゲーム差だし、今季のJ2は何よりしぶとく勝点をもぎ取っていくことが大事だと思うのです。勝ち急ぐよりも、シーズン終盤で昇格争いにしっかり絡むための土台を作っていかないとね。

次は松本とのホームゲームです。向こうさんはミッドウィークに延期分の試合があるので、日程面では相当有利になります。今季の松本はけっこうロースコアのゲームを続けていて、粘りのあるチームになっている様子。こちらもだんだん粘り気は増してきてますから、あとはホームの勢いで持って白星つかんでやりましょう。

[J'sGOAL]【J2:第14節 千葉 vs 富山】レポート