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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ第16節 全力、前進。

プレナスなでしこリーグ2014 レギュラーシリーズ
第16節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△0 - 0△浦和レッドダイヤモンズレディース
7位(勝点23)→7位(勝点24)

リーグ戦もいよいよ佳境。今回のフクアリ開催にはマッチスポンサーがつきまして、動員もかかって2300人超の大入りになりました。けっこうなスポンサードーピングがかかってるとおもいますけど、でもまず試合を見てもらわないとしょうがないからね。それで興味を持ってもらって、また見に行こうと思ってもらえたらうれしいです。今季のジェフレディースの観客動員はなかなか伸びてこないので、少しでもファンが増えてくれるといいな。

前節・埼玉戦を落としたことで、上位リーグ進出へ崖っぷちに立ってしまったジェフレディース。首位の浦和が相手でも、3ポイントを獲得しないと6位以内がなかなか難しくなってしまう状況でした。前節はポジションを組み替えて大失敗したので、今回はそれを元に戻して再スタート。運動量を活かした前線からのハイプレスを身上とするジェフレディースですが、ナイトゲームとはいえ真夏の蒸し暑いコンディションで、どれだけそれが継続できるかというのが一番の心配ごとでした。

前半は始終攻められっぱなし。立ち上がりに左クロスから菅澤さんのヘッドなどの惜しいシーンはありましたが、主導権は完全に浦和に握られていました。浦和はアンカーの藤田のぞみが負傷で離脱したシーズン中盤以降、持ち前の攻撃力がいまひとつ鳴りを潜めている感はありますが、でも一人ひとりの技術レベルは相当に高いです。
A代表にも召集された吉良や後藤のいる前線には、サイドハーフの加藤と柴田が絡んで流動的に位置を入れ替え、ジェフのバックスにマークの的を絞らせないスピーディな攻撃を展開。裏への飛び出しもあればミドルレンジからの強烈なシュートもあり、勢いのあるアクティブなサッカーに押されました。中盤に構える猶本は的確にボールを引き出して前線とのリンクをよくこなしつつ、自らもボールを持ってグイグイ上がってくる。あのドリブルスピードはすごいわ。瀬戸口さんとか普通に置いてかれてましたもん。波状攻撃を受けながらも前半をゼロでしのいだのは、本当に良くやったと思います。

やや守備偏重になった前半の反省を踏まえて、後半は全体のポジションを押し上げてよりアグレッシブに攻めに出ました。立ち上がりに立て続けにチャンスを作ったことでチームに勢いもついて、両サイドを中心にボールをよく動かして試合のペースを押し返すこともできた。浦和のバックラインには若い選手が並んでいるので、徐々に綻びも出てきてゴールまであと一歩というチャンスはいくつも作ったんですよね。でも、最後の一歩がどうしても足りなかった。浦和もGKの平尾を中心に身体を張って守っていましたし、両者が拮抗したまま試合が終わりました。

攻めに出る一方で守備もしっかりとバランスを取れていて、前半より抑え込めていました。浦和は清家と大滝を投入して純粋なパワー勝負に出てきましたけど、GKとバックライン、ボランチを加えた7人でしっかりストロングポイントを封じてシャットアウト。よくがんばりました。勝てなかったけど、負けなかった。シーズン後半になって無失点試合が増えてきているのは好材料だと思います。

でも勝ちたかったなー。一発待ち状態でしたけど、決定的なチャンスはたくさんあったし、勝てたと思うんですよね。もちろん浦和にもチャンスがあったんで、ともすると負けていたかもしれない。それくらい両者が攻め合って、それを必死に守って、ファイトした結果のスコアレスドローでした。いやー悔しい。次当たるときは絶対勝ってやるわ。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

前節はベンチスタートで15分間だけの出場だったようですが、今回は定位置のレフトバックに戻ってフル出場。レッズの下部組織で6年間過ごした上野ちゃんですから、いわば「古巣対決」ですね。やっぱり期するところはあったようです。知ってる選手も多くいるはずですしね。

前半は特に守備に意識を割いているのがありありとうかがえて、数的不利に陥らないように周りを見てポジショニングを考えながらプレーしていました。攻撃参加があまりなかったので相手陣内でのプレスがかからず、左サイドは柴田と後藤に押し込まれぎみになっていました。スプリントでどうにか追いすがって決定的に崩されはしませんでしたが、これじゃマズイと思ったんでしょうね。ハーフタイムに三上さんからゲキもとんだようで、後半は一転して攻勢に出ました。

筏井さんや真理さんとパスを交換してからのアタッキングサードへの侵入もあり、直線的なドリブルでボックス内に入り込むこともあり。上野ちゃん本来の強みであるオーバーラップが随所に見られました。ね、やっぱり上野ちゃんはこうじゃないとね。残念ながら結果には結びつかなかったものの、守備と攻撃を良いバランスで両立した価値あるゲームになったと思います。

最近の上野ちゃんは、いわゆる「プレーの幅」を広げる部分に注力しているように思うのです。今季に入ってロングキックをずっと練習していて、それは通算4アシストという形で結果も出ているわけですが、最近はそれに加えて、フィジカルコンタクトや逆脚のキックなども練習しているみたいです。試合前のアップではなんとヘディングの練習まで熱心にやっていて、苦手を克服しようと一生懸命です。同世代・アンダー世代に良い選手がたくさんいるのが、刺激になっているのかもしれません。

なでしこリーグは残り2試合。7位回避争いは、もうどうあっても最終戦までもつれることになりました。残り試合を全力で戦って、何が何でも6位に食らいついてやりましょう。最終戦は臨海でのホームゲームです。今季のホーム勝率はかなり良いですから、期待していいよ。たくさんの人たちに応援に来てほしいと思います。