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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ第18節 ホームのチカラ

プレナスなでしこリーグ2014 レギュラーシリーズ
第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○2 - 0●ベガルタ仙台レディース
7位(勝点25)→6位(勝点28)

同勝点で並ぶ仙台との直接対決。上位リーグ行きを賭けた生きるか死ぬかの決戦は、試合前からしとしとと雨の降り続くタフなコンディションになってしまいました。臨海には屋根がないですから、この雨で観戦を渋った人もけっこういただろうなと思うと、なんとももったいない気分です。しかし選手たちはそんな天気をモノともせず、大変アグレッシヴな試合を見せてくれました。

保坂さんが負傷で離脱したようで、右サイドハーフは安齋さんが久々の先発。この日は真夏のナイターでしたが、雨の影響もあってかなり涼しく、ジェフレディースのサッカーの要である運動量を発揮するのには十分な状況が揃っていました。今回はまず「失点は絶対にいけない」という状況でしたから、バックラインはバランスを意識して過度にポジションを上げることはせず、中盤のチェックにはツートップの1枚が下りてきて、相手のボールホルダを囲い込むやり方を徹底していました。序盤から前線でのプレスを継続して、仙台に落ち着いてビルドアップさせる余裕を与えませんでした。

バックラインも好調。仙台のトップがスルーパスに反応して抜け出してきても、複数人で挟み込んで自由を与えずにフィニッシュチャンスを作らせませんでした。中央でもサイドでも常に数的有利を作って守れていて、その上で絶妙なポジションバランスで危険なスペースを全員でカバーしあっている。サッカーですから決定的なピンチももちろんありましたけど、全体としては安心感を持って見ていられました。みんな自信を持ってプレーしてますね。

攻撃はショートカウンターが中心。菅澤さんはハイボールのターゲットとして徹底的にマークされてましたんで、両サイドに開いてから内にカットインしてフィニッシュ、というのが多く見られました。安齋さんの先制ゴールはそれが見事にハマッた形。左脚でしたね。「とにかくシュートを」という意識だったようですが、見事な軌道に乗りました。前半のうちに得点できて、しかもゼロで抑えてリードして折り返せたのは大きかった。

時間が経つにつれて仙台の脚が徐々に止まってきて、こうなると運動量に勝るジェフレディースの独壇場でありました。2点目は、真理さんの一級品のスルーパスに菅澤さんの冷静なシュート。あれができるのがエースだよなぁ。深澤さんも思い切りのいいミドルシュートを打ったりして、最後まで攻撃的な姿勢を貫いて、シュート数は仙台を上回る12本。見事な完勝で上位リーグ行きを決めました。素晴らしい試合でした。動員は1200人弱でしたが、もっとたくさんの人に見てもらいたかったな。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

この日もレフトバックでフル出場でした。上野ちゃんは、ここ数試合で明らかにプレーぶりが変わりました。ヘディングも躊躇しないし、ガツッと体を当てにいくプレーも増えているし、1対1守備では不用意に飛び込まずしっかりと相手とボールの位置を見極めて食らいつくことができるようになっています。驚きの変貌ぶりです。何がきっかけだったのかな。思い返すと、秋津でのボランチ起用、あれからかな、という気がしなくもありません。

失点は絶対にしてはいけないという試合でしたから、積極的にオーバーラップしていくことはほぼありませんでした。バックライン全体でしっかりバランスを取って、対人守備でも相手の攻撃を遅らせることや裏に抜けられないことを特に意識したプレーを続けました。右サイドの若林さんも同じようにプレーしていましたから、三上さんから徹底されていたんでしょう。しかしそれが実っての無失点なわけで、采配ズバリ。戦術をきちんと実現できているポテンシャルも見事なものです。

試合終盤に、相手のセットプレーからのカウンターで一気に前線に駆け上がって、フリーでボールを受けられる体勢までいった場面もあったんですけどね。残念ながら瀬戸口さんにはパスを出してもらえませんでした。あれはパス出してほしかったなー。サイドバックですから殊更にゴールを欲しているというわけではないと思いますけど、今季一番のチャンスだったと思うのよね。惜しかった。

試合が終わって上位リーグ行きが決まると、菅澤さんや北川さん、松浦さんに抱き着いたりハイタッチしたりして、もうはしゃぐはしゃぐw もうかわいくてしょうがないね。自らのミッションを完遂してチームの目標も達成したわけですから、まー嬉しかったでしょうね。ああいうシーンが今季もっと見られるといいなと思います。

試合後はスタジアムの外でお見送り。上野ちゃんとも少し話ができまして、右脚のキックもけっこう練習していて、徐々に上達してきているとのこと。エキサイティングシリーズでは右脚からのアシストができるといいね。終盤のオーバーラップはやっぱりパス出してほしかったって。「ですよねー、あんなチャンスめったにないのに」って言ったら、「でも狙ってますから。今季1ゴールするのが目標です」って、まさかのゴール宣言いただきました。そのゴールはぜひ目の前で見たいぞ!若林さんが埼玉戦でものすごいゴール決めたのも刺激になってるのかもしれません。

オールスターゲームを挟んで、月末からは早くもエキサイティングシリーズがはじまります。日程も発表されまして、開幕2戦は湯郷、INACとの遠方アウェイゲームになりました。タフだなーw そのあとアジア大会による中断が入って、次のホームゲームは10月になります。トップチームとの兼ね合いもありますがけっこう見に行けそうなので、僕もできるだけがんばりたい。

ジェフレディースのサッカーは、よく走り、よく攻めるアグレッシヴなサッカーなので、見てて楽しいと思います。今季はなかなか観客動員が伸びていませんが、ぜひたくさんの人に見てもらいたいなと思います。上位リーグは当然強豪ぞろいの厳しいリーグですが、歯が立たないなんてことは全然ない。優勝目指してがんばりましょう!