なでしこES第1節引かず譲らず

2015 プレナスなでしこリーグ1部エキサイティングシリーズ上位リーグ
第1節ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△1 - 1△INAC神戸レオネッサ
4位（勝点3）→4位（勝点4）

なでしこリーグの年間優勝を争うエキサイティングシリーズが、いよいよ始まりました。今年は代表チームの活動が多く中断期間が長かったせいで、ESは1回戦総当たり、たった5試合の超短期決戦。1ポイントが大きく影響するレギュレーションな上、ジェフレディースは1位と3ポイント差というビハインドからスタート。RSで2位と力が上のINACが相手とはいえ、大事な初戦は是が非でも3ポイントを獲っておきたいところでした。

ゴールレスで引き分けた前回対戦から3週間足らず。場所も同じフクアリで、両者ともに前回のイメージが強く残り、さながらリベンジマッチの様相です。RS終盤に手ごたえをつかんだジェフレディースがわずか1人の入れ替えにとどまった一方で、「ジェフレディースに引き分けたせいでRS優勝を逃した」と言って憚らないINACは、前回はベンチスタートだった高瀬・川澄・鮫島のA代表勢がそろって先発出場。雌ライオンの牙を剥き出しにして、ひと息に食らいきってやろうと襲いかかってきます。

試合は、ポゼッションからショートパスと中距離フィードで崩そうとするジェフレディースと、速いカウンターでサイドを制圧しようとするINACという構図。INACは鮫島が1列前にポジションを取り、中島依美が中央、伊藤美紀がやや下がり目でビルドアップを図っていましたが、中島のところは明らかに穴になってましたね。柔軟によく動くといえば聞こえはいいですが、ポジショニングがフラフラしてはっきりしないので、中央部にでっかいスペースができていた。そこを保坂さんと真理さんが存分に使って、右サイドで相手を引きつけたり千野さんの上がりを待って鋭いクロスを入れたりという攻撃パターンを演出できていました。INACのセンターバック、甲斐と田中明日菜も経験豊富で技術もあるので、最後崩し切るところまではいけませんでしたが、相手の弱点を突いてジェフレディースの強みを活かした攻撃が数多く見せられたのは良かったです。

ジェフレディースのバックラインは、櫻本さんと磯金さんのツーセンターに、右に千野さん、左が今回は美里さんで、守備力に定評のある4人をそろえました。このメンバーなら早々崩されることはないと思って安心して見ていられました。序盤こそ川澄と大野のスピードにやや手を焼きましたが、これを山根さんの好守で乗り切ると、あとは全く問題なし。RS終盤から見せている安定した守備をしっかり披露しました。
磯金さんはラインコントロールが本当に巧いですね。ジェスチャーを交えてはっきりと周りに指示を出して、相手の攻撃を縛っています。もはやディフェンスリーダーの地位をサクさんから獲ってしまってるんじゃなかろうか。個人的には、そのせいでにっしーの出場機会がなくなってしまったのが残念ですけど、これだけのものを見せられてしまったらなー。にっしーもポテンシャルが高いのはシーズン序盤で証明済みなんで、実力でレギュラーを奪えるようにがんばってほしいです。

ゴールはどちらもスーパーでした。近賀のクロスは、あの位置からあのスピード・あの弾道でピンポイントに上げられる選手は女子ではそうそういないし、バックラインのブラインドから突っ込んできてダイブ一発で見事にヒットさせた中島も見事だった。ジェフのゴールも、筏井さんのキック精度と菅澤さんの高さ・強さが存分に発揮された、見ていてすこぶる気持ちいいゴールでした。結局これ以降ゴールはなかったし、どちらも試合に勝つことはできなかったのは残念でしたけど、でもこの2つのゴールを見られただけでも行った価値はあったよなー。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

この日は突然のメンバー外。スタメンどころかベンチにも入ってなくて、僕もビックリしました。1週空いたとはいえ、2週間前は元気にプレーしてたのにな。学校の都合か体調崩したか、考えなくないけど練習で大ケガしちゃったか。情報がないので推測しかできませんけど、今週末にしれっと先発出場しててほしいですね。それはそれでズッコケだけど、出られない期間が長引くよりはずっといいしね。

首位のベレーザが勝ったので、残り4試合で5ポイント差になりました。タイトル獲得に向けては崖っぷちです。でもまだ直接対戦も残ってますし、2位相手にドローで終えたのは後々効いてくるはず。まずは仙台、そして浦和としっかり勝って、ベレーザとの大一番に臨みたいですね。