stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ第17節 がっぷり四つ

2015 プレナスなでしこリーグ1部 レギュラーシリーズ
第17節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△0 - 0△INAC神戸レオネッサ
4位(勝点28)→4位(勝点29)

シルバーウィーク真っ只中の祝日。お昼どきのフクアリには今季最多4300人の観衆が集まり、解放されたメインスタンドはほぼ満席の状態でありました。櫻本さんも「これだけ大勢の観客・歓声の中でプレーできるのは、とても気持ちがいい」と言っていたくらい、大盛り上がりで湧き上がったスタジアム。もちろん相手がINACでいわゆる「代表効果」もあったと思いますけど、常にこれくらいの人に見てもらえるといいよねぇ。ジェフレディースのサッカーは面白いですもん。

首位を走るINACを相手にして、どれだけ粘り強いプレーが続けられるかというのがひとつのキーポイントでした。アウェイでは後半に走り負けてバックラインの裏をことごとく破られての逆転負けだったので、ラインコントロールにはすごく気を使っていた。そういうわけで、センターバックは経験豊富な櫻本さんと磯金さんのコンビになりました。磯金さんは常に「ラインを高く!高く!」と指示を飛ばしていて、相手に押し込まれないようにと集中していました。高さがあるわけではないので放り込みには苦労しましたが、その分カバーリングINACのストライカー陣を追い込み、決定的な仕事をさせませんでした。古巣対戦ですから、思うところもあったでしょうね。

攻撃は、瀬戸口さんと保坂さんが絶好調。ミドルサードからの中距離フィードがよくハマって、菅澤さんや鴨ちゃんの惜しいシーンをいくつも演出しました。右サイドから中島や鮫島といった代表級をゴリゴリかわしていく様は痛快でしたね。保坂さんが相手を引っ張って生まれたスペースには千野さんが駆け上がって、鋭いクロスを何本も上げました。ゴールにはつながりませんでしたが、千野さんのサイドバックとしての強みはやっぱりあのクロスボールだと思いますよ。試合を通じて右サイドはジェフが制圧していましたし、こちら側からやっぱり1点ほしかったよね。

まぁしかし、あれだけチャンスも決定機もあって、それでなおゴールが奪えなかったのは本当に惜しかった。菅澤さんも調子が良くてゴールがよく見えてて、真理さんのスパルタパスも冴えまくっていて(受けるほうは大変だけど)、深澤さんもダイナモぶりを見せてしっかりボールをおさめて、左からも上野ちゃんや鴨ちゃんのコンビでボックスに侵入し、あの手この手でゴールを目指しましたが、とうとう点を奪えないままタイムアップ。 逆に守備でも、大野やチャン・スルギの決定機を山根さんがビシッとストップして、これはまさしく日本代表・山根恵里奈。サイドの深い位置ではバックス陣がしつこく体を当てて相手に自由を与えず、クロスすら自由に上げさせませんでした。

どちらにも決定機があって、どちらも最後のところで粘ってやらせず、攻守に見せ場を作った試合展開。内容としては、0-0は妥当なスコアかな。前半は追加タイムなし、後半はわずか1分というところを見ても、双方ともよく集中して引き締まった好ゲームでした。秋らしくない炎天下の真っ昼間、暑い中でみんなよくがんばって走って、戦い抜きましたよ。お疲れさま。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

この試合も左サイドバックでフル出場。すっかりスタメン定着です。いやーよかった。コンディション調整も順調で90分しっかり動けるようになってるし、ほっとひと安心です。右目の上にバンソウコウ貼ってたのけど、どうしたかね。

この日は絶好調。磯金さんを見つつラインコントロールには気を使ったディフェンスでしたが、深澤さんとも連携して粘っこい対人守備をやり切りました。マッチアップした伊藤香菜子はスピード系ではなかったし、終盤に出場した川澄もそのスピードを活かすシーンは多くありませんでしたから、しっかりボールと相手の動きを見れば十分に対応できる。常に集中を切らさなかったし、不用意に身体を投げ出してしまうこともなかったし、守備面で与えられた役割はきっちり全うしました。強くなってるぞ。

そして、上野ちゃんの強みであるオーバーラップの迫力が戻ってきつつあります。勢いに乗ったドリブルで3人をかわしアタッキングサードに進入して、チャンスを演出。終盤にはペナルティボックス付近にまで顔を出して、自身のシュートはなくとも鴨ちゃんや安齋さんのチャンスをお膳立てすることもできました。ボックス内へのクロスがもっと増えるとよかったけど、そうそうチャンスはめぐってこないものです。試合前練習を見てても中距離フィードの精度は安定しているように見えるので、それを活かせる場面を作れるように、ひたすらにできることをやっていくしかないのだ。

この日の上野ちゃんは、今季イチの出来だったと思います。身体のキレも戻ってきたし、パスを受けてからの判断も早くなったし、周りとの連携も良くなってます。トップコンディションまであと一息だ。残り1試合をしっかり戦って、エキサイティングシリーズで大暴れしてもらいましょう。

この引き分けで、レギュラーシリーズの4位が確定。エキサイティングシリーズは勝点3、首位と3ポイント差でスタートです。今年のESは5試合の超短期決戦。しかし3ポイント差なら十分に優勝を狙えます。今年のジェフレディースの目標「タイトル獲得」に向かって、一気に突っ走ってまいりましょう。