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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこL杯1部第9節 その差は歴然としてあり

2016 プレナスなでしこリーグカップ1部 Aグループ
第9節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース●0 - 2○日テレ・ベレーザ
2016/07/30(Sat.) 18:00 フクダ電子アリーナ
3位(勝点12)→3位(勝点12)

INACにアウェイで勝ち、2位との差を1ポイントまで縮めたジェフレディース。続く試合で勝利して、今節試合のないINACを一気に逆転して準決勝進出をぐっと近づけたいところでした。ただ、そこは今季絶好調のベレーザが相手。有利な立場とはいえ勝ち上がりが確定はしていない状況で、そう易々と勝ち点をくれる相手ではありませんでした。

山根さんがスウェーデン遠征に出ている間の2試合を無失点で乗り切った根本さんが、この試合もゴールを守る形。根本さん自身は好調で、ミドルレンジからの鋭いシュートへの反応や、ボックス内へのスルーパスに対する飛び出しなど、随所に好プレーを見せていました。サイズでは山根さんに到底かないませんが、根本さんもメニーナでしっかり技術を磨いてきた選手。ポテンシャルは高いものがあるし、こういうレベルの高いGKが2人揃っているというのは、なんとも心強いものです。

ただ、この試合は中盤がまったく機能できませんでした。攻撃時には落ち着いてビルドアップできずに、フィニッシュに向かうスイッチを上手く入れられない。3mのパスですら、受けてとのズレが目立ってミスになってしまうシーンが多くありました。ベレーザは中盤のラインコントロールとマークの受け渡しが非常に巧くて、常に激しいプレスを受けながらのプレーを強いられました。苦し紛れに狭いところにパスを入れることが多くて、なんでわざわざそんなところにと思うんですけど、でもそうなるように仕向けられているという感じ。

守備でも、相手のボールホルダにうまく圧力を与えることができず、サイドに展開されて全体がズルズル下がってしまうことが多かった。結果、ボールを獲っても前線の菅澤さん目掛けて長いボールを蹴るだけで、でも全体が下がっているのでポストプレーのセカンドボールを拾えずにポゼッションを明け渡し、というパターンの繰り返しになってしまいました。

失点はCKからとPK。CKからの阪口ヘッドというのは西が丘でも2発やられた形なんですが、今回もそれを繰り返してしまいました。阪口のマークのはずし方がうまいのは確かなんですが、同じパターンで3失点というのは、チームとしてもう一度守備を見直さないといけないですね。みんな分かっているでしょうけども。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

この試合もフル出場。スタートは左サイドバックで、後半はアタッカーとして30分以上をプレーしました。珍しく長い時間を1列前でプレーすることになったので、これはゴールのチャンスも増えるかもしれないと期待しましたが、残念ながらシュートを放つことすらできず。

それでもなんとか一矢を報いようと、積極的にボックスへアプローチしていたのは事実です。ドリブルの切れ味は継続中で1人で局面を打開することができ、左脚のクロスを武器にしてスペースからチャンスをつくろうともしました。ただ、中央とのリンクをうまく潰されて機会そのものが少なく、本来の上野ちゃん自身の強みを十分に発揮することができませんでした。

2失点目のPKは上野ちゃんのファウルを取られたものですが、ハイライトを見ると、これボックスの外じゃないかなと思うんですよね。僕はメインスタンドの中央部から見ていましたが、そのときでさえ「ペナルティボックスってあんなに広かったっけ?」って思ったくらいです。いずれにしろ自陣の危険な位置でファウルを犯してしまったことは事実なので、本人も反省しているようでした。

この試合の結果で、ベレーザの1位突破が決定。残る2位の枠を、ジェフとINACで争います。勝点差は1、残り1試合。INACはそのベレーザと、ジェフは高槻との対戦です。他力ではありますが、実力関係から考えればチャンスはあると思います。ジェフにできることは、まず高槻に勝つこと。試合の前にはINACの結果が出ているので、チャンスが残っていることを信じて、全力で戦っていきましょう。