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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこES第3節 ジェットコースターフットボール

2015 プレナスなでしこリーグ1部 エキサイティングシリーズ 上位リーグ
第3節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△4 - 4△浦和レッドダイヤモンズレディース
4位(勝点5)→4位(勝点6)

レギュラーシリーズでは入院していて行く機会を失ってしまった駒場でしたが、エキサイティングシリーズで訪れるチャンスに恵まれました。この時期のナイトゲームは、気温も下がりつつあって見るにはなかなかタフなコンディション。この日はあまり風がなかったので、いくらかマシでしたね。暗いので写真を撮るにはなかなか辛かったけどね。

前半のジェフレディースは、45分を通じて良いところが何にもありませんでした。開始早々に立て続けに2失点。これまでジェフレディースの堅守を支え続けてきた櫻本さんと磯金さんのセンターバックが揃って不安定で、吉良と高畑にみすみす隙を見せて難なくやられました。その後も、ボールサイドに過剰に人数をかけてプレスをかいくぐられ、逆サイドに展開されて大ピンチを招く悪い流れの繰り返し。ボールを持って攻撃に転じようとしても、浦和の高いバックラインにビルドアップすらも封じられ、いたずらに時間を浪費するばかりでした。今季2勝している浦和相手にここまで何もできないとは。我慢できずに前半のうちに鴨ちゃんを投入しましたが、ハーフタイムでどう切り替え、むしろ開き直って、ラスト45分に向かっていくかが大事でした。

そして後半。開き直って一気呵成に攻め立てたジェフレディースは、52分の初ゴールを皮切りに、65分までに立て続けに4ゴールを奪って逆転します。浦和は乗松と臼井の両サイドバックがライン際の高い位置にポジションを取ることで、長船と高畑の両枠に広大なスペースができていましたが、後半の立ち上がりはテンポの速いパスまわしと中距離のフィードでこのスペースを強襲。イケイケドンドンならどのチームにも負けないジェフレディースの前線は、勢いに任せて浦和のバックラインを蹂躙したのでした。

リードを奪った時点で、残り時間は30分。勢いと運動量にまかせて押し切るには、30分はあまりにも長すぎました。

浦和は石井咲希を右サイドバックに入れて高畑を中盤に上げ、猶本と合わせて左右にはたけてキック精度も高い選手をボランチに揃えました。ジェフレディースもペースダウンして試合展開が落ち着き、そのまま80分過ぎ。そろそろ守備力を増して試合を締めくくろうと美里さんを準備したところで、またしても左右のスペースから隙を見せて2失点を食らってしまいました。試合終了が迫ってちょっと集中が切れかかって、プレスとチェックがちょっと甘くなったところを叩きこまれた。大変にもったいない失点でした。

美里さんをキャンセルして、安齋さんと二種登録の小澤寛ちゃんのアタッカー2枚を投入して勝ち越しを狙いましたが、押し切れず。浮き沈みが激しくサポーターの心臓を揺さぶりまくった秋のナイトゲームは、打ち合ってのドローに終わりました。悔しい。今度こそ勝てると思った。これでESは3試合連続の引き分けです。勝ちきれない。

三上さんが監督になった昨年以降、ジェフレディースのサッカーの肝は、全員が連動した継続的なプレッシングと、絶妙に統率のとれた守備のバランスになっています。その最初の部分は最前線からのフォアチェックで、筏井さんと菅澤さんが相手のバックラインに圧力をかけるところからすべてが始まっています。その始めの部分が、9月以降効果的に機能していません。菅澤さんも筏井さんもいまひとつ運動量を維持できなくて、相手のビルドアップを絞ることができていない。相手ボールホルダへのプレッシングは全員が連動して継続的に圧力をかけるやり方になっていますが、最前線がしっかり役割を果たせないと、その連動が災いしてボールのあるサイドに人が寄りすぎてしまうんですよね。それで逆サイドががら空きになって、相手に好き放題やられてしまうという。フィジカルは一朝一夕に解決する問題ではないですが、それならそれでやり方を変えるなどの方法をとらないと、弱点を露呈したままズルズルいってしまいます。皇后杯を前にして、それは避けたいところです。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。フクアリで欠場した時は心底心配しましたが、前節の仙台戦もしれっとフル出場していて、コンディションに問題はなさそうです。やっぱり風邪でもひいてたのかな。大事なくてよかったです。

4失点もしたのでDFとして"及第点"というわけにはいきません。まぁ特に前半はチーム全体がガタガタだったので、誰か1人の責任というわけじゃありませんけどね。それはバックラインの全員が分かっているようで、試合後すぐにピッチ脇で4人そろって反省会してました。こうやってすぐにみんなで意見を出し合って、次に向けて修正して気持ちを切り替えていこうとするのはとても良いことです。

この日は攻撃面での強みを出せたのが良かったですね。左脚のフィードはいまだその精度が衰えていないことを示せたし、オーバーラップしてサイドの深いところのスペースからチャンスを演出することもできましたし。最終盤に相手セットプレーのカウンターからボールを拾って、前線にラストパスを送ろうとしましたけど、ダイレクトでの右足キックはうまくミートせず。惜しかった。でもこの姿勢はこれからも続けてほしいです。ゴールなんて誰がとってもいいんだから、どんどん攻めてヒロインになってしまうくらい活躍してほしいですよ。

順位は4位で変わりませんが、首位ベレーザとの勝点差は6。残り2試合でタイトル獲得にはかなり高いハードルですが、次節はそのベレーザが相手です。ベレーザはこれに勝てば優勝決定ということで、必勝態勢で臨んでくるはず。しかしジェフもこれに勝てば逆転で優勝の可能性も残るかもしれません。とにかく喉から手が出るほど欲しいES初勝利に向けて、一戦必勝といきましょう。