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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ1部第16節 西川彩華の活きる場所

2016 プレナスなでしこリーグ1部
第16節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○3 - 0●岡山湯郷Belle
2016/10/09(Sun.) 13:00 とりぎんバードスタジアム
7位(勝点17)→6位(勝点20)

普段は美作で開催されている湯郷のホームゲームですが、この日は山陰・鳥取での開催。バードスタジアムに行くのは3年ぶりくらいですかね。鳥取市サッカー協会50周年記念事業ということで誘致したそうですが、動員は700人余りと振るいませんでした。当日に雨予報が出ていたのも影響してしまいましたかね。4月に秋津で開催された習志野市サッカー協会50周年記念試合と比べると、イベントも少ないしちょっとさびしい感じになってしまいました。

この試合、ジェフレディースにとってはアクシデントの連続でした。当初スターターにラインナップされていた磯金さんが、アップ中に負傷してしまい急遽欠場。代わって入った小澤寛ちゃんも、前半のうちに相手の激しいチャージを受けて交代となり、采配を振るう三上監督にとっては選択肢の少ない難しいゲームになってしまいました。そんな中でも、しっかりとボールを保持してリズムをつくり、終始安定した試合運びをして見せたジェフレディースの面々は、実に素晴らしかったと思います。シュート数16:5、コーナーキック数5:1という数字がそれを裏付けていますね。

急遽出場した寛ちゃんは、前半のうちに2ゴールの大活躍。浅野の後ろのスペースをスコスコと取って、狙い済ましたグラウンダーのシュートで1点。2点目は30mくらいはあろうかという超ロングシュート。わりとテキトーに前に蹴ったように見えましたが、うまいこと三田の伸ばした手とクロスバーの間にすっぽりハマりました。自分でもビックリして呆然としてましたね。あれは横から見たかったなー。寛ちゃんがあれだけ躍動したのもひさしぶりな気がします。相手DFに勢いよくぶつかっていけない気の弱さが見え隠れすることもありますけど、U-18でもエースを務める有望株。経験を積んで、いずれジェフのエースとして攻撃陣を引っ張ってほしいと思います。

磯金さんに変わってセンターバックに入ったのは、ボランチが本職の西川彩華でした。ここ数試合はそのボランチでプレーしながらも、ポテンシャルを発揮できずに苦しいプレーが続いていたにっしー。ところが、最終ラインでのプレーとなった今回は、見違えたように安定したプレーを見せてくれました。もともと視野が広くてワイドへの展開力には長ける上、ボランチに比べてプレッシャーが幾分減ることで余裕を持ったプレーができて、ジェフレディースバイタルエリアをがっちりと守りきりました。ゴール裏から見ていてまったく不安なかった。後ろと隣からサポートを受けながらやるほうがいいのかもしれません。

にっしーの高さ、足下の技術、視野の広さが、ボランチの位置にあることは大きな魅力です。ですが、現状のジェフレディースのサッカーには思うようにフィットできていないのも事実。それなら、その能力が活かせる場所でのびのびとプレーするほうが、チームにもにっしー自身にもいいのかもしれません。CBは層が厚くて出場機会を得るのは大変なんだけどね。何度も書いていますが、僕はにっしーには本当に期待していて、ジェフでその能力がフルに発揮されるのを楽しみにしているのです。"No.10"としてのにっしーの能力が必要になるときは必ず来るはず。そのときのために、今は一歩ずつ階段を上る時期ということかもしれません。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでスタメンに復帰。小澤寛ちゃんが負傷交代した43分からは左サイドハーフとしてプレーし、86分に途中交代となりました。あの交代は何が理由だったんだろうか。みっつーが左にまわってきたのを考えると、右サイドの守備をてこ入れしたかったんですかね。うーん。。。

前半に寛ちゃんが大きなインパクトを示していたことと、ジェフの攻撃が全体的に左サイド偏重だったことで、湯郷もこちら側にはしっかりと網を張る形に。裏を取られまくった浅野もさすがに後半は警戒して後ろ重心でがっぷりと組み合ってきまして、ボールに関わる機会は多くても思うようにチャンスを作れたわけではありませんでした。ただ、その中でも切れのあるドリブルやスペースへのランニングで積極性は見せましたし、ボックス内にも入ってアタッカーらしい動きも十分にできました。なにより、鋭い切り返しからのひさびさの左脚シュートが見られた。足の先に当たってしまって枠外になりましたが、湯郷相手に十分な存在感を示したと思います。ゴールを期待して鳥取まで行ったので、それが見られなかったのは残念だけどね。

早いうちに2点のリードがあったし、後ろが守備力に定評のある美里さんで安心して任せられたというのも大きい。このところ攻撃面の停滞感が漂っていて、1列前をやるたびに「最初から上野を前に使えればなー」という声が上がる中で、下位相手とはいえひとつオプションのパターンを示せたのではないかと思います。あとは、三上監督の考え次第ですね。

この試合の勝利と翌日の高槻の敗戦で、来季もなでしこ1部で戦えることが決まりました。まずはひと安心。開幕から躓いてなかなか調子が上がらずに苦しいシーズンでしたが、ひとつプレッシャーから開放されます。残り2試合、生き生きとのびのびとプレーして、笑って終わりたい。

次は、いよいよ今シーズンのホーム最終ゲームになります。8月は試合がなかったとはいえ、ホームでは7/18以来、実に3ヶ月も勝利がありません。夏以降調子を上げている浦和は簡単な相手ではありませんが、駒場のリベンジも果たしたいし、絶対に勝って終わりたい。この日はイベントも盛りだくさんなので、ぜひたくさんの人にフクアリに来てもらって、ジェフレディースのサッカーを楽しんでほしいと思います。