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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第1節 プランA

2011 Jリーグ Division 2
第1節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 0●ギラヴァンツ北九州
2位(勝点3)

さぁ、開幕です。19年目のJリーグは、雨の九州の午後1時のアウェイからスタート。はっはっは、どれもあんまりいい思い出がないですなw ともあれ、待ちに待った新シーズンのスタートです。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。バックラインは右から、山口、竹内、青木良太、坂本。佐藤勇人と、新加入のファン・ゲッセルのダブルボランチ。右にこちらも新加入のマット・ラム、左が深井。トップ下に米倉を置いて、最前線にオーロイ。山口がミリガンに変わると、1番~11番までが勢ぞろいという、ちょっと面白いメンバーになりました。ベンチには、櫛野、茶野、太田、伊藤大介青木孝太。藤本と久保のルーキー2人もメンバー入りです。

あらためてワイドな画面で俯瞰的に試合を見て、今年のジェフの志向するスタイルが見えてきました。オーロイをめがけたロングフィードを中心に、深井とマット・ラムの両ワイドがカットインしてボックス内にアプローチしたり、米倉とのコンビネーションでゴールを目指そうという形。アタッキングサードにいるのはほとんどがこの4人で、ボランチの佐藤やファン・ゲッセルが前線まで上がるシーンは、セットプレーを除いてあまり見られませんでした。昨シーズンは頻繁に見られた両サイドバックのオーバーラップも、今回はあまり見られず。2点を奪ってある程度余裕が出てきた中では、山口と坂本の上がりも増えたように思いますが、基本的には攻撃は前の4人で組み立てるというのが約束のようです。

ボランチは、佐藤は適宜両サイドのサポートにまわり、ファン・ゲッセルは真ん中でハイボールの跳ね返しと、相手にボールが渡ってしまった際のファーストチェックを担うと。佐藤の持ち味でもあるミドルレンジからのパワーショットがほとんどなかったので、迫力には欠けましたが、積極的な攻撃参加はしないということなんでしょうかね。ファン・ゲッセルのチェックは実によく効いていて、おかげで守備は大きく崩れることはありませんでした。サイドバックに置かれた山口と坂本は、さすがの安定感。1対1守備に定評のある2人なので、ブチ抜かれることも深くえぐられることもなく、まさに堅守の象徴。昨年来運動量の低下が指摘されている坂本がフル出場でもパフォーマンスが大きく落ちなかったのは、上下動をサイドバックではなく、サイドハーフに求めたからですね。深井が坂本の運動量をカバーする形で動くので、フィジカルマネジメントも上手くいっていたんでしょう。

"いぬち"こと西部謙司さんは、ドワイト監督が志向する「オランダ式サッカー」について、「オランダのサッカーはポジション・フットボール。理屈がしっかりしているぶん型にはまりやすく、日本人の場合とくにそうなりやすい。距離感が開きすぎてプレーに柔軟性がなくなる傾向がある」とTwitterで言っています。ボランチサイドバックに関しては、この「ポジションフットボール」というのがとてもよくわかる動きをしていました。プレイエリアと役割がとてもわかりやすく、守備ブロックの構築が容易で、ディフェンス面でのメリットは一目瞭然。個々の能力による部分もありますが、たび重なる北九州のサイドアタックにも冷静に対応できていたのがその証拠です。対して攻撃に関しては、現状「オーロイ頼み」になっている部分が非常に大きい。足元に入るパスが増えればまた違うでしょうが、パサーがピッチにいない以上どうしてもハイボールメインになります。今回はクロスも精度もよくなかったので、思ったよりオーロイの高さを活かし切れていませんでした。オーロイが封じられたり、サイドからの連動が上手くいかない場合の"プランB"を作りにくいというのは、このスタイルのデメリットなのかもしれません。

マット・ラムは、今回はまるで効果的な働きができませんでした。ボールタッチの回数自体は多かったので、ポジション取りはいいんでしょう。ただ、やはりマットからのパスやクロスが、ほとんどつながらなかった。ドワイト監督はシーズン前のインタビューで、「両サイドのウィングを使ったサッカーをしたい」と語っていますから、このポジションがキーになっていることは確かです。なので、彼に期待する部分は大きい。子伝り所んが上がっていないことは確かですし、彼自身昨シーズンは1試合もキャップを重ねていないわけですから、試合そのものに慣れていないんでしょう。早いところコンディションを整えてもらって、"代えの利かない選手"くらいに活躍してもらわないとね。一説には、今回はレインスパイクを忘れてしまって、ドライスパイクでプレーしたなんて噂もありますけど、どうなんでしょ。

いろいろ未完成の部分があるとはいえ、開幕ゲームで白星を勝ち取ることができた。これが何よりも大事です。川崎の中村憲剛は、「開幕戦で勝てれば、中身は悪くても、ノッていける」と言いました。とにかく、J1に上がるまでは「結果至上主義」。とにもかくにも「勝てるサッカー」をしないとね。勝たないと、上に行けないんだから。

次の相手の湘南は、開幕戦で岡山相手に5得点と大爆発してます。巻と佐々木竜太という強力なツートップ相手に、組織されたジェフの守備がどこまで通用するか。北九州戦を見ると、いけるかもしれないと、期待してしまうところも大きいです。何より、フクアリでの開幕ゲーム。何が何でも、勝たないとね。

さぁ、日曜日はフクアリへ行こう!

[J'sGOAL]【J2:第1節 北九州 vs 千葉】レポート