stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

J2第8節 大巨人降臨

2011 Jリーグ Division 2
第8節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 0●FC東京
2位(勝点3)→1位(勝点6)

アテンダンスが16360人。これだけの人たちが待ちに待っていた、フクアリでのホーム開幕戦。第1節が遠方アウェイだったので、これが今季初のリーグ生観戦というサポーターも多かったかと。僕もそうでした。お預けをくらって1ヵ月半。ようやくのシーズン開幕です。

スタメンを振り返ります。GKに岡本。4バックは、右から山口、竹内、青木良太、坂本。ダブルボランチ佐藤勇人と、今回は伊藤大介マット・ラム深井正樹の両サイドハーフ、トップ下に米倉。そしてオーロイのワントップ。北九州戦でスタメンだったファン・ゲッセルは、今回はベンチスタート。ミリガンが久々にベンチに入りました。

目下J1昇格の大本命に推されているFC東京を相手に、前半はとにかく2列目の守備がスカスカでした。ドワイト監督が会見で言ったように、ボランチセンターバックの間がやたら開いていて、そこから谷澤や梶山にフリーでシュートを何本も打たれてしまった。竹内の素晴らしいコース読みと岡本のファインセーブで失点は免れましたけど、あれじゃ竹内が怒るのも無理はないよ。何度も周りの選手たちにゲキを飛ばしてました。あんだけ目の前でシュートをバカスカ打たれて、怖いったらありゃしない。いつゴールを割られるかとヒヤヒヤしてましたよ。

それを食い止めてくれたのが、前述の通り竹内です。読みも巧いし当たりも強い。相手のシュートコースにスッと足を出して、ボールを外へはじきだす。体が反応しているというのもあるでしょうし、考えてから行動に移すまでがすこぶる速い。はっきりクリアすべきところは、迷うことなく蹴りだすし、カウンターを狙えると見れば、すぐにサイドに展開して、攻撃のスイッチを入れさせる。とてもクレバーセンターバックです。右サイドバックの山口との"元・名古屋コンビ"は抜群の安定感でした。加えて、前線へのフィードも迷いがなく素早く正確。本当に、素晴らしい選手がジェフに来てくれたものです。

後半からはマーク・ミリガンが登場。開始直後は東京にものすごい決定機を次々と作られて、さすがにやられたかというシーンがたくさん。谷澤がB面で助かりました。そこからはボランチセンターバックの距離感も修正されたようで、締めるべきところをキチンと締めた守備。強力な東京の攻撃陣に対して、組織でしっかりと90分間守りきれたというのは大きな収穫です。左の坂本には、最後の20分間は本当に長い20分間でしたが、深井と佐藤がなんとかカバーして凌ぎ切りました。ドワイト監督は、これをどう見ましたかね。

先制点は77分。左からミリガンが矢のようなロングスローを放って、これをオーロイがプレッシャーをかけられながらもしっかり首を振って、ゴール左隅にブチ込みました。手と頭でゴールを奪うという、なるほど、"アンチ・フットボール"。でも、ミリガンにとって、ロングスローは武器ですからね。これを活かせる時期がようやく来たわけですから、使わない方が損というもの。現場では「よくファウルスローを取られなかったものだ」と思いましたが、現在のルール(PDF注意、P.44)では「両足ともその一部をタッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドにつけ」ていればいいんだそうです。というわけで、そもそもファウルスローではなかったというお話。昨年の甲府戦でも、和田のロングスローから青木良太のヘッドで得点しましたが、それとはインパクトが段違い。いやはや、いいモノを見せてもらいました。

追加点は6分後。岡本→オーロイ→米倉で、4タッチでゴール to ゴール達成。オーロイのスルーパスは、本人にとってはミスだったようですが、米倉が上手く足を出して権田の股下を抜きました。ゴールインする前からガッツポーズしてましたね。米倉は前半から本当に良い動きをしていて、積極性も思い切りもあるし、前へ前へという気持ちが溢れていました。負傷した米本に代わって入った羽生とのマッチアップで、完全に相手を翻弄していた。試合後に羽生と握手する米倉の写真を見ましたが、本当にうれしそうな満面の笑顔でしたよ。いよいよブレイクを期待してもいいかな。

しかしオーロイ。204cmという超長身が一番の武器であるのは言わずもがなですが、この選手、実は足技もなかなかに上手い。2点目のアシストになったスルーパスは見事なものでしたし、足元に入ったボールもきちんとコントロールしてはたける。相手DFがハイボールでかなわないと見てセカンドボールを狙っていると、それをしっかり感知して胸でコントロールできる。4/17のJAGSにゲスト出演した浦和の柏木は、ハイボールじゃかなわないし、だからできるだけ足下でやらせるってのが対策になるでしょうねぇ」と言っていましたが、足下も十分に使えます。オーロイポストプレーは、しっかりと頭でコントロールして落としているし、前のスペースにきちんと入っているので、周りの選手がこれをしっかり掴んで前を向くことが大事。岡本や竹内、福元のロングフィードが、どんどん活かしていけますよ。

ちばぎんカップを含めた7得点すべてに絡んでいるオーロイは、もう既に「代えの利かない」選手になっています。だからこそ、代えが必要になったときにどうするか、という問題は常に付きまとうわけです。各所で指摘されていることですが、オーロイ自身、3試合で3枚のイエローカードをもらっているわけだし、あの体格ですからケガも十分考えられる。出場できなくなるときは必ずあります。そうなった場合の"プランB"が、どこまで熟成できるのか。単純に久保や戸島、青木孝太を代役に立てるのか、それともメンバーと戦術をドラスティックに変えて臨むのか。ドワイト監督が何も考えていないとは思いませんけど、意外と猶予は短いかもしれませんからね・・・・。

次は徳島とのアウェイゲームです。徳島にはまだ勝ててませんからね。昨年高い代償を払って学んだことを、徳島の選手やサポーターに見せてやりましょう。

さあ、楽しいサッカーの季節がやってきましたよ!

[J'sGOAL]【J2:第8節 千葉 vs F東京】レポート