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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第16節 フィールドの支配者になれ

2011 Jリーグ Division 2
第16節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 1●FC岐阜
1位(勝点19)→1位(勝点22)

6月11日にクラブとして設立20周年を迎えたジェフは、この試合を「20th Anniversary Match」として様々なイベントを催しました。そのイベントの模様は最後に書くとしまして、前節草津にコテンパンにされてしまった反省を踏まえて、もちろん必勝態勢で臨むホームゲームであります。

スタメンを振り返ります。GKは変わらず岡本。山口、竹内、ミリガン、青木良太の最終ライン。ボランチ佐藤勇人伊藤大介。右ウイングに前節悔しい交代となった太田が先発。左の深井、トップ下の米倉、最前線のオーロイは変わらず。そして今季初めて、林がベンチ入りしました。愛媛戦で負傷し戦列を離れていた青木孝太も、約1カ月ぶりにメンバー入り。ファン・ゲッセルは「一身上の都合」で、メンバーを外れました。どうやらいったん帰国していたようですね。

この試合のファーストシュートは太田。右足を振りぬいて枠をとらえたいいシュートでしたが、村尾がほぼ正面ではじきました。このシュートを皮切りに、ジェフは前半20分までで10本のシュートを浴びせます。相手が現状最下位の岐阜だということもあって、中央からサイドからとどんどん攻め手を繰り出し、押せ押せで主導権を握ろうという形でした。ですがなかなかゴールにたどりつくことができず、先制点は29分の米倉のミドルシュート。あとでtwitterを見てみたら、スカパーで試合を見ていたらしい他チームサポさんたちが「ジェフやっと先制したか」と口をそろえていました。第三者視点でもそれくらい攻めまくっていたわけで、ドワイト監督が掲げる「フィールド上のボスになって、試合を支配する」というコンセプトが垣間見えた前半戦でした。

攻め方にしても、オーロイへのハイボール一辺倒でもなく、中央、右サイド、左サイド、ロングフィードと、さまざまなパターンを織り交ぜての多彩な攻撃を見せてくれました。前節はフィニッシュでの迫力がいまひとつだったことと、人の動きに流動性があまりなかったことが、停滞感につながって敗戦しましたから、この1週間でよく反省して立て直したなと思いますよ。岐阜はセオリー通りバックラインを高めにセットして、オーロイを経由した攻撃を封じようとしていましたが、攻撃のバリエーションを増やすことで相手に的を絞らせず、結果的にオーロイをうまく使えるようになっていました。これは今後に向けても大きな収穫でしょうね。

失点はセットプレー。ミリガンがケガの治療で抜けていたところを突かれたものでした。それにしても、田中秀人のヘッドの打点はすごく高かった。ニアを守っていたオーロイの鼻先でドンピシャに合わせましたが、オーロイよりも高くジャンプしていました。前節はミリガンがいなかったから負けた、とは言いたくないんですが、ミリガンがいるといないとでは全然違いますね。決定的なピンチを何度防いでくれたことか。今回はロングスローを放る場面はあまりありませんでしたが(笑)、CKからオーロイの裏に入ってJ初ゴールも決めたし、攻守両面で大きく貢献してくれました。

太田は積極果敢にゴールを狙いましたが、今回も得点はお預け。シュートコースが素直すぎて、ほとんどが村尾の守備範囲だったということはありますけど、思い切りもいいしひとつくらい入ってくれても、ねぇ?ただその他の面では十分役割は果たしました。クロスボールも、オーロイは大変満足していたようだし、ドワイト監督も今回の太田のプレーは評価しているようです。ひざを痛めて後半早々に交代となってしまいましたが、前節の悔しさを晴らすことはできたでしょうかね。

その太田から、56分に右ウイングを林にスイッチ。このときのフクアリの盛り上がりはなかなかのものでしたね。僕は以前ジェフにいたころの林のプレーをあまり見ていないので、さしたる感情があるわけでもないんですが、選手紹介時の拍手の大きさといい、チャントの盛り上がりといい、期待されてるんだなというのがよくわかります。その林は、右サイドのスペースで労を惜しまず走り回り、攻撃のスイッチを入れる役割を見事に果たしました。緩急をつけた独特のリズムで刻むドリブル、オフサイドラインを意識した絶妙なタイミングでの抜け出し、縦だけでなく浅めからカットインしてのシュートと、林の良さが存分に表れたプレーを披露したと言っていいでしょう。深井の2点目もラストパスは林から。深井は「タケがメッセージのこもったボールをくれた」と言っていました。林って、深井と同い年なんですよね。なんだかそうとは思えないんですけど、それだけ経験は積んでるってことです。

あと、今回は審判について書いておきます。今回の審判団は、主審も副審も終始ジャッジが委縮気味でした。強権的というのとは違って、ジャッジが自信なさげで弱々しいんです。オーロイの取り消されたゴールや前半終了間際のラフプレーに関しては、解釈の仕方で判定そのものには妥当性を見ることはできますが、それをきちんと選手に説明して納得させているのか、そういった部分が大いに疑問に映りました。後半早々に抗議からイエローをもらった竹内などは、それからはもう主審をからっきし信用していないのがありありと見えて、選手とのコミュニケーションがうまくいっていないんだなというのがわかります。「J2だからこんなもん」ではちょっと済まないくらいのもどかしさでした。J2は経験値の少ない審判が担当することがままあることは分かっていますけど、だからこれで許されるかというと決してそうではない。「判定には自信と信念を持ち、異議があった場合には冷静に対処しこれを静めること」って、審判技法の"いろはのい"ですよ。

最後に20周年記念のイベントについて。「FC SWERVES」を迎えたエキシビションマッチでは、Teamジェフファミリーが3-1で勝ちました。奇しくも本試合と同じスコアですね。試合の中身はけっこうガチなもので、ユースの子たちも向こうさんも、お互い攻守に見せ場を作っていました。テクニカルエリアにいた2人の芸人さんも、パフォーマンスで場内を沸かせてくれました。月末からワールドカップメンバーとしてドイツに渡る、ジェフレディースの丸山さんもゴールを決めて、いい壮行試合にもなりましたよ。その後の中村舞子さんのライブは、アメグレのジェフバージョン。最後ちょっと失敗して照れ笑いもありましたけど、芯の通ったきれいな歌声でした。20年を振り返る映像も、悲喜こもごもでちょっと悶々としたり(笑) なんだかんだで、楽しい20周年のお祭りでした。まぁ、勝ったからこそこう言えるわけですけどねw

ここまで1試合平均で2.2ポイントですから、経過としては順調です。ですが夏はこれから。今回も身体にまとわりつく湿気に本当に参りました。この先はこれが当たり前になるわけですから、しっかり対策をしつつ慣れていかないといけません。次は横浜FCとのアウェイゲーム。横浜も復調気配ですが、しっかり勝点を持って帰れるように、気合を入れて応援しましょう!

[J'sGOAL]【J2:第16節 千葉 vs 岐阜】レポート