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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第15節 「その場しのぎ」は通用しない

2011 Jリーグ Division 2
第15節 ジェフユナイテッド市原・千葉●1 - 3○ザスパ草津
1位(勝点19)→1位(勝点19)

今年は今年と言いつつも、やっぱり「あの草津」って思ってた人は多いと思うんですよ。僕自身「今度こそ勝って帰る!」って思ってましたし、サポ仲間にも「あそこにはいい思い出がないから、今日で上書きしないと」って言ってた人はいました。結局は、全く逆になっちゃいましたけどね。ハァ。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。4バックは右から、山口、竹内、ミリガンが代表召集で、センターバックファン・ゲッセル、左に青木良太。佐藤と伊藤のダブルボランチ。左に深井、センター米倉、右にマット・ラムが久々の先発。最前線はオーロイ。益山が今季初めてベンチ入りしました。

前半を見ていた限りでは、ここまで酷いゲームになるとは思いませんでした。草津の最終ラインはセオリー通り高めにセットされていましたが、深井のスピードや米倉の巧みな動きまわりで、チャンスは作れていました。これは、草津ボランチの松下をディフェンスライン近くまで押し戻せていたことが大きくて、松下がボールを持つ位置をできるだけ低くすることができているうちは、草津の攻撃のスピードも上がってこないし、ジェフのDFを整える時間もできます。高めでボールを奪うチャンスも増えるので、コーナーキックも増える。フィニッシュの迫力が足りなくてゴールこそ奪えませんでしたが、ボールをまわしてペースをつかむことはできていました。この状態で、後半途中から太田なり久保なりを投入してさらにリズムを活性化できれば、草津のバックラインを押し戻してオーロイの高さを活かすこともできるだろうと、やや楽観的に見ていた部分はありましたよ。深井がエリア内で倒されたシーンでファウルをもらえなかったのは、さすがにジャッジが厳しいんじゃないかとは思いましたけれども、ハーフタイムの間はそれもそんなに気にしてなかったんですよ。

なんですが、後半早々に右サイドのギャップを突かれて崩されてクロスを入れられ、これをアレックスがドフリーで合わせて失点。大分戦の1失点目が、左右逆になって再現された感じしましたね。プレスをかけるべきところでほとんどプレスが掛からず、ズルズルとラインを下げてしまって、最後はマークすら離してしまうという、いいようにかき乱された失点でした。シーズン序盤にあれだけ組織だったきれいな守備を敷いていたのに、今ではもう見る影もありません。両サイドの主導権を握られてしまうと、こうも簡単に崩されてしまうものなのかなぁと。

ドワイト監督は、ハーフタイムに右ウィングを太田に入れ替えました。先発のマット・ラムはこれが6試合目の登場ですが、これまでほとんど仕事らしい仕事ができていません。今回にしても、出足が遅いとか、フォアチェックの圧力も満足に与えられないとか、そういうところばかり目についてしまうんですよね。後ろの山口の負担も増えてしまっているし、右サイドからはまるで形が作れない。メンバーに入った以上、今回は彼にがなってもらうしかないとアタマでは思っていたものの、終わった後にはやはり失望しかありませんでした。ドワイト監督は彼の成長を期待して使っているようですが、僕はもう彼には期待できません。プロ3年間でわずか3試合しか出場していない先週の成長を待っているほど、今年のジェフに余裕はないんですよ。

最初の失点のあとは、もうすべてがグズグズでした。残りの2失点は前がかりになってゴールを奪いにいった結果というのは分かりますけど、それにしたって最終ラインの統率がお粗末すぎる。左サイドに入った青木良太は、試合を通じて最大の弱点になってしまっていました。前半から中途半端な位置取りでアレックスに裏を狙われまくっていましたし、後半はそれを警戒したのか、ポジション取りを変に下げてしまい、オフサイドトラップをかけられなくなって、逆に右サイド裏への突破を許してしまうという、最悪の循環。本職がセンターバックの青木が、左では満足に役割を果たせないことは何度も書いていますが、今回は隣がこれまた本職でないファン・ゲッセルだったことも、悪循環に拍車をかけてしまいました。

もちろん、バックラインだけが悪かったわけじゃありません。64分に久保を入れてパワープレーに入りましたが、ボランチの2人も含めて、プレーがとにかく雑だった。ミドルサードでのショートパスも合っていないし、ライン際に飛んだボールも追いかけられていませんでした。そのせいで、攻撃のスピードが全然上がらないのです。パワープレーは、とにかくボールを前に運んで、高さとフィジカルで相手をねじ伏せようという戦術ですけど、それは雑にボールを扱ってやるもんじゃありません。"それなり"の精度が求められるもんです。その"それなり"にも達していなかったわけで、それでは攻めきるのは到底難しくなってしまうわけですよ。

先発のチョイスにしろ交代策にしろ、今回はドワイト監督の戦術ミスの部分が大きいでしょうね。特に太田は、パワープレーをチョイスしたとはいえ可哀そうな交代になってしまいました。45分で右サイドを入れ替えることは最初から決めていたんでしょうが、20分で変えられてしまったんでは太田は納得しませんよ。コーチ陣には、後のケアをしっかりしてもらわなければいけません。

スクランブルの形が多くなっていますけど、ケガや累積警告でメンバーがそろわないことは、この先珍しくないでしょうから、そのための対策はしっかり立てていかないと。今回はドワイト監督自身が「痛い目にあった」試合だと思うので、反省すべき点を反省して、きちんと「勝つためのチーム、勝つためのサッカー」を作ってもらいましょう。沈んだ気持ちはちゃんと切り替えて、今週末の岐阜戦に勝つことを考えていこうと思います。立ち止まるわけにはいかんのですよ。

[J'sGOAL]【J2:第15節 草津 vs 千葉】レポート