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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第33節 何度目かの覚悟

2011 Jリーグ Division 2
第33節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 1○徳島ヴォルティス
5位(勝点51)→5位(勝点51)

負けました。正念場と機したこの5連戦で、成果はわずかに1ポイント。監督交代という劇薬もまるで効果はなく、昇格を争う直接のライバルにはあえなく連敗し、昇格圏との差は8ポイントに広がり、残りは5試合。数字上可能性は残っていますが、現実的に見て「昇格は難しい」と言わざるを得ない状況です。ホントに「ラストチャンス」だったんですから。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。バックスは山口、ミリガン、青木良太、渡邊。アンカーの位置に佐藤勇人、2列目に深井、伊藤、村井、米倉の4人。ワントップに久保裕一です。竹内は警告累積によるサスペンション。横浜FC戦で負傷した"大巨人"オーロイが、3か月ぶりにベンチに復帰しました。またファン・ゲッセルもベンチ入り。アウトしたのは、太田と青木孝太でした。

試合の内容・展開としては、水戸戦や鳥栖戦とそう変わりません。やろうとしていたサッカーも同じ。だけど、ひとつのプレーがうまくいかないと途端に委縮して、もう一度同じプレーをしようとしなくなってしまう。失敗を極度に恐れてチャレンジする積極性を失い、変にボールを抱え込んで激しいチェックを受け、ボールを奪われてしまう。自陣でボールをとって攻め上がろうとしても、「取られたとき」の反撃が怖くてポジションを上げきれず、先に守備陣形を整えられてチャンスをフイにしてしまう。ずーっとそれの繰り返しでした。フリーでボールを受け取っても、一度後ろを向かないと気が済まないのかってくらい後ろ向きで、結果出すのは横や後ろへのパスばかり。パスを出す選手だけじゃない、周りの選手もただボールを待っているだけで、全然パスを「呼ぼうと」しない。突っ立ってるだけならその間に入ってればパスコースを消せるんだから、DFは楽なもんです。サッカーは相手よりも多くの点をとることを目指すスポーツだなんて至極単純で基本的なことを、いつの間にか忘れてしまったんだろうか。

こちらの攻撃が怖くないと分かれば相手が攻勢に出てくるのは当たり前のことで、セットプレーでの失点は必至のものでした。そして残された20分間、それまで続けていたパスサッカーをあっさりと捨ててまたしても放りこみ一辺倒の中盤省略サッカーになってしまい、みすみす相手に守りやすい環境を与えてしまうという、本当に「なんにも変わってない」有り様。ファン・ゲッセルも投入して高さに厚みを持たせたかったようですが、いかんせん横からのクロスがほとんど入らないのでほとんど機能できません。意識もやっていることもやろうとしていることもみんなバラバラで、ワクワクなんかしようはずもない。2週間、ただバタついただけで終わってしまったんですよね。

守備の面では、ディフェンス陣は本当によく頑張っていると思うんです。草津戦で3失点してしまいましたが(僕は見ていないんですが)、それを除けばここ1ヵ月半はずっと1失点ないし無失点に抑え続けています。アンカーの佐藤は相手の危険な攻撃の芽を摘み取るのに走り回り、第3センターバック青木良太はミリガンと竹内のいない穴を埋めて余りある安定感を見せ、岡本は致命的なピンチをその俊敏なセービングで何度も守ってきました。しっかりとブロックを作って整えた守備の網で相手を何度も絡め取り、失点を最小限にとどめているんです。それなのに、攻撃陣がそれに全く応えられない。4試合連続無得点は、昇格を目指すチームとしてはあまりにお粗末です。

もうその場しのぎのスクランブルサッカーでは通用しないと、それで戦えるほどジェフは強くないと、それをあらためて思い知らされるシーズンになっています。こういうことを言うのはまだ気が早いのかもしれませんが、とにかく何が何でも昇格を目指すというより、しっかりと腰を据えて、実績と信頼のある監督に来てもらって、現場の要求にそう選手をちゃんと選んで補強し、じっくり時間をかけて組織と戦術を作り直し、アカデミーからの新戦力も交えてチームを鍛えなおす。きちんと戦えるチームを作り上げられるまでは、ひたすらに我慢して我慢して、耐えて耐えていくしかないんじゃないかと、そう思い始めています。J2で長い期間をかけてチームを作り、いまJ1で一定の成果を上げている仙台やセレッソのように、たとえ一時期うまくいかなくても焦ってすぐ放り出さずに、ジェフのスタイルを作り直す。そういう覚悟が必要なんだろうと思うんですよね。

こうして書くだけなら簡単なんですが、実際やるとなるとそれはもうめちゃめちゃしんどいと思います。僕は90年代終盤の「ガラガラの臨海」ってやつを知りませんが、その時代を知る人は「アレに比べりゃまだマシ」と言います。でも、2005年のナビスコ優勝以降フクアリに来るようになったサポーターは、それだけのメンタリティをもっていないし、選手やスタッフ陣にも当時を知る人はほとんどいないでしょう。だから、たぶん想像を絶する辛さだと思う。でもそれに立ち向かう勇気と覚悟がなけりゃ、J2では戦えない。歯を食いしばって強くなれよと、サッカーの神様が言っているのかもしれない。

でもいまは、とりあえず今シーズンを精いっぱい戦いぬくことを考えようかな。来年のことは、今シーズンの試合が全部終わってから考えりゃいい。僕らサポーターはね。

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