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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第1節 "キッチリ"勝ちました

2012 Jリーグ Division 2
第1節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●モンテディオ山形
1位(勝点3)

待ちに待ったシーズン開幕ゲームです。今年のジェフは3年ぶりにホーム・フクアリでの開幕。いきなり山形との対戦です。11400人を集めたスタジアムは、開幕のワクワク感に満ち溢れておりました。

では、新たなシーズンを迎えたジェフの最初のスタートメンバーをご紹介します。GKは岡本。バックスは、坂本、竹内、山口智、武田の4人。ボランチには佐藤勇人と古巣対決の佐藤健太郎サイドハーフは右が兵働、左が伊藤大介。前線は深井と藤田のツートップです。

2-0。内容的にも山形を相当に上回っていて、終始ゲームをコントロールしていたのはジェフでした。ちばぎんカップでも全体の安定感がとても強く印象に残ったんですが、今回はセンターバックの竹内と山口、中盤の兵働と佐藤健太郎、トップの藤田祥史、この"背骨"が想像以上に強力だということをしっかりと見せつけてくれましたね。主に守備の面で強固な網を形成し、そのおかげで両サイドバックが遠慮なくオーバーラップして攻撃参加ができた。サイドが上がったスペースをセンターバックがちゃんとケアしてるし、ズレてもすぐに修正されるんですよね。で、両サイドが高めの位置をとっても、ライン際でピチピチになってしまうようなことが少なく、全体の距離感がすごく丁寧にコントロールされていました。

ちばぎんカップで個人的にちょっと物足りないと思っていた藤田は、今回はまさに獅子奮迅の大活躍。前線でがむしゃらにボールを追いかけて山形のバックラインに強烈なプレッシャーを与え続けました。最前線でのこうした守備がどれだけ重要であるかは、特にジェフのサポーターはよくわかっています。ここ数年こういうタイプのフォワードがジェフにはいなくて、相手にボールが渡ってしまったときに中盤から後ろの対応が後手後手になってしまうことがとても多かったんですよね。前でプレスをかけて時間を作ってくれることで、守備の形をちゃんと作り直すことができるし、そのあたりの修正能力に長けた選手が今年は揃っているわけで。最終盤は荒田が入ったこともあってやや動きが鈍りましたが、それでもあれだけ走りまくってフル出場できるだけのパワーを持っているのは、大きな武器になりますよ。

もちろんあの2ゴールも圧巻です。特に2点目。武田のアーリークロスに、またもニアに入り込んでの左足ボレーですが、1点目の状況から山形も警戒していたはずのニアポストで、背後から強烈なプレッシャーを受けながら、清水の股下を抜くというとんでもないシュートを決めた藤田。しかもあのショットを、あろうことか「いいボールが来たので、当てるだけでした」なんていいやがるわけですよ。なんなのあいつ。それだけ左脚でのシュートには絶対の自信を持っているということなんでしょうかね。ただ、鳥栖時代から藤田を見てきた友人によると、クロスへの反応もいいけど、センターから相手バックスの裏へ抜けるようなパスへの対応が最も光るところであるとのこと。なにその完璧ストライカーは。腰に慢性的な痛みを抱えているそうですが、これが悪化しさせしなければ、今年はやってくれるはずです。すげー期待しちゃう。

古巣対決になった佐藤健太郎は、ボールを持つたびにアウェイゴール裏からブーイングを浴びていました。彼もちばぎんカップのときは佐藤勇人とのコンビネーションがもう一歩かなぁと思ったんですが、今回は"センターハーフ"として十二分の活躍です。中盤の底で左右に動いて的確にスペースを埋め、山形のカウンターの芽を潰しまくりました。ボランチ2人の役割分担が非常に明確で、なので佐藤勇人の負担がかなり軽減されていたのは、攻撃のリズムを一定以下に落とさないためには重要でした。相手にしたらずっと押し込まれてるし攻められないって感じになるし、そうなると時間を追うごとに前がかりになっちゃったりしてバランスが崩れるし、そうなるとこちらの思うツボなんですよね。

シーズン初戦なので、こういった個々人の能力の差が如実に表れたというのが実際のところなんだと思います。新監督を迎えてサッカーが変わったチームとしての成熟度は、ジェフも山形も大差ありません。組織として攻める、組織として守る、このチームのサッカーはこう、相手の動きにこう対応する、そういうスタイルのようなものがはっきりと見えてくるのはまだまだ先だと思うし、さらにそれが定着して威力を発揮するのはさらに先になります。逆にそういう状況で昇格候補の一角と目されている山形をキッチリ叩けたのは大きい。それでも修正点は多くあるわけだから、まだまだ上積みが期待できるわけです。楽しみですよ。

荒田と田中佑昌は、短い時間でもなんとかいいところ出そうとはりきっていました。荒田には3度もチャンスがきたし、田中は坂本との連携が合わなくて威力を発揮できませんでしたけど、まだまだこれから。この2人も十分強力なアタッカーですから、早いとこフィットしてガンガンゴールを決めておくれよ。

次はアウェイで京都戦です。京都は開幕ゲームを落としているので、是が非でもこの星を獲りにきます。開幕から厳しい相手が続きますけど、スタートダッシュが肝心。「緒戦突破」でいきましょう。今年もよろしく!

[J'sGOAL]【J2:第1節 千葉 vs 山形】レポート