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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第17節 やるべきことは山ほどある

2012 Jリーグ Division 2
第17節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 1○FC岐阜
2位(勝点33)→3位(勝点33)

連勝が途切れるときというのは、こんな風にポコンと負けてしまうものです。と、そうは言っても、今回は負けてはならなかったんじゃなかろうかと、今になってもやっぱりそう思います。結局、7連勝に対する変なプレッシャーと、最下位相手という妙な慢心とが綯い交ぜになった結果、徹頭徹尾アウェイの戦いをした岐阜に対する有効な策も取れずに終わってしまった、ということなんでしょうね。このチームはまだまだ実力不足なんだわ。

スタメンです。GKは岡本。バックスはフランス帰りの大岩以下、竹内、山口智、武田の4人。伊藤と佐藤健太郎のダブルボランチ。右ワイドに田中佑昌、左に兵働。藤田と深井のツートップ。大岩が予定より早く帰ってきたので、"元に戻した"形になりました。ミリガンは代表召集で今回から3試合欠場です。

岐阜と初めて対戦したのは2009年の天皇杯。そう、降格が決まった直後の熊谷です。以来J2での戦いを含めて、今回が6回目の対戦になるわけですが、メンバーが変わろうが監督が変わろうが、岐阜は一貫して「ガッチリ引いて守って、ボールをドーンと蹴ってあとは前に任せる」というサッカーをやり続けています。いわゆる典型的な「下位チームのサッカー」なわけですけど、これはジェフにとっては一番嫌なやられ方なのは既に証明されていて明々白々ですから、そういう戦い方をしてくるのは分かりきっていました。戦前から「引かれた相手に対していかにして先制点を獲るか」がキーポイントになると言われていましたけど、あろうことかセットプレーの崩れから逆に先制点を奪われてしまい、あとは真ん中を徹底的に固められて耐えきられ、ゴールを奪えずに終わらせられてしまった。ジェフのいいところを全部消されてしまいました。負けるべくして負けたゲームですが、やっぱりホームゲームだし、同じようなことを何度も繰り返してしまっているわけだし、あんまりポジティブには考えられないよなー。

これまで勝ってきたゲームでは、バックライン以外の6人がかなり自由に動き回ってボールを動かし、スペーススペースに入って速いテンポでゲームを作っていくということができていました。ところが、今回はそういう傾向がほとんど見られませんでした。田中佑昌が右に張りっぱなしだったというのが象徴的だと思いますが、真ん中いに割って入るとか前線までダイアゴナルに走るとかっていう動きが全然できなかったんですね。岐阜の人数がかなり多くて渋滞状態だったのは確かですが、田中だけじゃなく攻撃陣は総じて動きの量も質も良くなかったと思います。アタッキングサードを固められてしまっているなら、たとえばサイドで細かくポンポンまわして壁を引っぺがしてから素早く展開してボックスに侵入するとか、ミドルレンジからシュートを撃っていって引きずり出すとか、そういうアイディアがあってよかったはず。藤田と深井は相手の裏を狙う動きを繰り返していましたが、それ自体は良くても他のやり方が絡んで連動していなければ、守備するほうは楽だと思います。

米倉の動きは悪くありませんでした。復帰して間もないので連携が拙いのは目をつぶるとして、バイタルを中心に走りまわって途中出場の役割は果たしたと思います。オフサイドになったオーバーヘッドは大変惜しかった。ただ、いわゆるフットボールインテリジェンスについては相変わらずであります。感性のままにボールを追いかけ、ゴールを狙って仕留めるスタイルは確かに米倉の強みではありますが、米倉に求められているのはそれだけじゃない。しっかり周りの状況を把握して、考え、瞬間瞬間でベストの選択ができるようになってほしいと思うのです。

こういう「相手の術中にはまってうまくいかなかった」試合は今季初めてじゃありません。岡山戦でも富山戦でも、アウェイの松本戦もそうでした。なので早々に切り替えるのでなくて、内容をしっかり分析してウィークポイントを徹底的にあぶり出し、長年のテーマである「引いた相手への対処」に一定の回答を見つけていただきたい。敗戦という結果から切り替えるのはいいけど、「次だ、次」で終わらせてしまうと近いうちにまた同じことの繰り返しになります。そうなれば昇格は遠のいてしまう。こういう相手にすら勝っていかないといけないわけだから、そのための策をどうにかして編み出さないといけません。

次はアウェイで甲府戦です。甲府は攻撃力主体のチームですから、ある意味いいタイミングだったかもしれませんね。甲府の試合はスカパーでも何試合か見ていますが、少なくとも引いた戦いはしてこないはずです。驚異的なゴールハンターやクレバーなセンターバックのいる厄介なチームですが、やってやれないことはない。連敗せずに次の連勝の最初の一歩にするべく、気合を入れていきましょう。

[J'sGOAL]【J2:第17節 千葉 vs 岐阜】レポート