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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第29節 同じことの繰り返し

2012 Jリーグ Division 2
第29節 ジェフユナイテッド市原・千葉●1 - 2○ガイナーレ鳥取
6位(勝点50)→7位(勝点50)

まず出てきた感想が「ふざけんな」でした。なんとも悔しいやら情けないやら。アタマ抱えて「うーん(-''-)」って唸るくらいならまだかわいいもんです。なんですかね、あの無力感。

スタメンです。GKは櫛野。4バックは大岩、竹内、山口智、武田。佐藤勇人佐藤健太郎のダブルボランチに、2列目には田中佑昌、兵働、新加入の谷澤が並ぶ形。最前線に藤田です。

試合のペースは掴んでいたはずです。ダブルボランチは守備意識が高く、センターバックとの中央のブロックで鳥取の進撃をしっかりと食い止めていました。鳥取は早い段階からプレスを強くかけてきていて、局所的に数的不利になる場面も少なくありませんでしたが、それでも落ち着いてボールを捌いてスペースに出せていました。両サイドバックが深い位置をえぐってクロスを入れるシーンもたくさんあったので、形は作れていたはずです。それに中盤に入った谷澤のボールキープが見事でした。後ろ向きや横向きでボールを持っても、普通では考えられないほど大きな動きでもって体力とピッチをぜいたくに使い、ボールを前に運んでいく。谷澤のプレースタイルには、鳥取だけでなくジェフの選手たちもかなり振り回されていましたね。とはいえ、なじむのにそう時間はかからないでしょう。

ただまぁ、木山さんが志向する「ポゼッションからボールを動かして前に進むパスサッカー」ではなかったですね。なかったというか、「できなかった」と言うべきか。インサイドで攻撃をコントロールする兵働が完全に捕まって抑えられてしまい、勢いをつけたいところでうまくいかないということが多くありました。それがチーム全体に焦りを生んだのか、ごく簡単なショートパスや足元でのコントロールでミスを多発してボールをロスト。守備へのトランジションでも後手を踏み続けてしまい、鳥取の速いカウンターに再三ピンチを招いてしまいました。

敗戦の後だから、是が非でも勝たなければならない。そのための選択として、木山さんはボランチを削ってアタッカーを投入する極端な攻撃シフトを組みました。ところがこれが大失敗。攻撃時には両サイドバックとも高い位置をとるため、これで守備のための人材が本格的に3人しかいなくなってしまいました。くわえて前線は人大杉で大渋滞になり、かえって混乱のもとになってしまったような。

人が多くなると、どうも変に消極的になるんです。「責任転嫁のパス」ってやつです。自分が狙っても入らないだろうけど、他の人なら打てるかも。だからシュートじゃなくてパス。打ってはずすのが嫌なんですね。シュートに自信がないんです。そりゃそうです。練習でノンプレッシャーで打っても枠にいかないんだもの。練習でできないことが、試合でいきなりできるはずもないでしょうよ。

最終盤、鳥取はドローでも御の字という試合運びをしていました。ぐいぐいぐいぐい押しこんで、下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たるのごとくシュートの雨あられを浴びせて、相手に「跳ね返すことしかさせない」ってことだってできたはずなんです。それなのに、中途半端に集中を切らして他人任せになった結果、たったひとつの勝点すらも持って帰ることができなくなった。がっかりだよ。

山口智は「いつも同じカウンターを食らうし、何とかしなければいけないけど、何とかできない」と言います。同じことを何度も何度も何度も何度も繰り返して、そのうち悔しい気持よりも「ああ、またか」と思ってしまう。シーズン3分の2を過ぎて出場停止がゼロというのは見事なものですが、クリーンに徹するあまりファイトしなくなっているのではないか。あるいはできなくなっているのか。チームが苦しい状況にあるときこそ声をからして背中を押さなきゃいけないという理屈はわかるけれど、僕の気力体力も無尽蔵じゃないから、声が出ないときは出ないし、腕だって上がらんもんは上がらん。四六時中全力疾走はできんよ。

明日にはもう岐阜戦があります。フクアリで苦汁をなめさせられた相手ですが、油断してもいけないし、変に気負っても空回る。中2日で立て直すにも限界がありましょうが、精一杯の試合を見せてほしい。現地には行けませんが、テレ部の前でしっかり見届けようと思います。

[J'sGOAL]【J2:第29節 鳥取 vs 千葉】レポート