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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ第6節 笑顔満開

プレナスなでしこリーグ2014 レギュラーシリーズ
第6節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○2 - 1●日テレ・ベレーザ
5位(勝点7)→5位(勝点10)

この日はトップチームとのダブルヘッダー。レディースの試合が行われた臨海は、野球場やテニスコートで学生の大会をやっていて公園内がずいぶん混雑していました。普段レディースの試合を見ない人も多少は来てくれているといいなぁと思いつつスタンドに上がってみると、なんとまぁ真夏のような暑さ!実際この日は夏日になったそうで、ジリジリと照りつける日差しをまともに浴びてしまいました。おかげで早くも日に焼けましたよ。まいったまいったw

三上監督は、開幕2戦目以降スタメンを一切いじっていません。中位の成績ではあるものの、このメンバーでのサッカーにある程度の手ごたえを感じていてしっかり熟成させるべきだと考えているんでしょう。その一方で、現状のレギュラーメンバーを越える存在はなかなか出てこないという悩みもあるはずです。交代枠を使い切らなかったり、使い切っても着るのがずいぶん遅かったりするのはその表れで、ピッチ上でのチームバランスが極端に変わることを恐れているのではとも思います。試合に出ているメンバーがそれぞれのポジションで強みを発揮し始めている一方で、各々が既に「代えの利かない」人材になってしまっている現状は怖くもありますよ。何かアクシデントがあったらお先真っ暗ってことだもん。

この日は何しろ相手がベレーザでしたんで、まともに組み合ったら到底太刀打ちできないと、ならばどうするかというところに焦点を当てていました。でも蓋を開けてみると、結局はやることは変わっていなかった。2列目からのフォアチェックを継続して相手の中盤を自由にさせない、ベレーザの両サイドバックが上がった裏のスペースを強襲する、真ん中は菅澤さんのポストプレーと筏井さんのクイックネスをしっかり活かす、そういうことです。

これが効いたのです。
安齋さんと深澤さんを中心とした両サイドでのプレスを継続して、ベレーザの強力なセンターラインにビルドアップの余裕を与えませんでした。新潟戦ではここに人数をかけすぎて全体のポジションバランスを失ってしまっていましたが、今回はこのサイドのプレスにツートップの一角が参加することで、中央の真理さんとと瀬戸口さんがポジションを維持。真ん中をしっかり締めて落ち着けることができるようになって、チーム全体が安定しました。前線が守備のために下がる分カウンターを仕掛けられる場面が減ってしまいますが、攻撃にも人数をかけずなるべく個人でボックス内まで持ち込んでフィニッシュまでいけていましたから、中央の人数不足を憂う場面というのは思ったよりも多くありませんでした。相手との組み合わせの妙もあるでしょうけど、これが上手くいったのは驚きでした。

先制点はそうして高い位置でプレッシングした結果生まれたものです。筏井さんは相手の背後から巧くボールを掻っ攫って、そのままドリブルで持ち込んで豪快にミドルシュート。プレッシングが前半のうちにひとつ実を結んだのは良かったですね。大きな自信になったはずです。筏井さんの右脚キックはどんどん精度が上がっていますね。プレースキックは言わずもがな、こうして自分の間合いで蹴れたときにはコースもスピードも絶妙な弾道でゴールに向かっていきます。曽山は懸命に左手を伸ばしましたけどあと少し適わず。お見事でした。

後半は得点を奪いにきたベレーザの裏を突いて、中盤から前を支配しきりました。阪口がポジションを前目にシフトしたので中盤を真理さんと瀬戸口さんでガッチリ掌握できるようになり、中距離のパスで清水と中里が上がった両サイドの裏のスペースをガンガン使いまくっておりました。そこに安齋さんや深澤さんの"がんばり"が加われば怖いもんなしなわけで、2点目はそれが噛み合ってのゴール。このゴールは気持ちよかったね。ベレーザのバックスを完全に出し抜いてやりました。終盤に1失点をしてまたもシャットアウトゲームとはならなかったものの、初めてベレーザに勝ちました。非常に暑い中での試合でしたけど、みんな最後までよく走りぬきましたよ。いやー嬉しかった!

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

この日もレフトバックでフル出場でした。昨年に比べると見た目の体形がすらっとしたように思うんですけど、公式サイトのフィジカルデータは昨年と変わっていないんですよね。ホントに測ってんのかね?w 女の子に対してこういう話題をするのもアレですけども。

今回は守備を意識してのプレーが多くなって、持ち前の快足を飛ばしたオーバーラップが鳴りを潜めていたのは残念。同サイドでマッチアップしたのが隅田と清水という運動量もテクニックもあるタイプのプレイヤーだったので、ジェフの左サイドが全体的に押し込まれぎみになっていたのも影響したかもしれません。昨年のU-19代表で同僚だった面々が相手なので上野ちゃん自身期するところもあったと思いますが、ちょっと押し負けたかな。

右サイドでは安齋さんが少しインサイドに切れ込んで筏井さんあたりとパス交換をしたところを、サイドバックの若林さんがぐーんっと上がってクロスを上げるシーンが何度かありました。こういうやり方を左でもやれれば、上野ちゃんの強みであるオーバーラップと鋭いクロスボールを引き出せるのになと思うんですが、サイドハーフの深澤さんがある程度個人で場を打開できてしまっていたので、テンポよく裏のスペースにボールが出てくるということがあまりないんですね。深澤さんのコンディションも良さそうでしたからこれ自体はとても良いことなんですけど、ねw ハーフウェイからショートステップで縦に長いボールを入れることも何度かトライしていましたが、これは明らかに精度不足。どうしてもスライスしてゴールから逃げていってしまうのですよ。これは昨年の代表戦でも上手くいかなくて、本人も蹴った瞬間にアチャー顔でしたんで、これはまぁ練習あるのみですね。

試合にきっちり勝ったこともあって、試合後はみんな笑っていました。上野ちゃんもとびきりの笑顔だったし、深澤さんも菅澤さんも筏井さんも、みーんないい笑顔でロッカールームへ引き上げていきました。結果だけでなく内容的にも手応えを感じていて、これを続けていけば戦えるという確かな感触がある。もちろん課題はありますけど、それを修正するだけの時間も能力も備わっています。
戦力層がやや薄いのはアタマの痛いところですが、「与えられた環境でできることを最大限発揮して戦う」というのは、フルアマチュアであるジェフレディースのDNAそのものでもあります。その意地を見せて、並み居る強豪に一泡吹かせてやろうではないか。

なでしこリーグはこれで約1ヶ月の中断になります。代表に選ばれなかったメンバーにとっては、リフレッシュとレベルアップのためには絶好のタイミング。残り3分の2のレギュラーシリーズで何が何でも上位6チームに入って、願わくば優勝争いに絡めるように、がんばりましょう。