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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこES第10節 "1年目"の成果

プレナスなでしこリーグ2014 エキサイティングシリーズ 上位リーグ
第10節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△1 - 1△INAC神戸レオネッサ
5位(勝点10)→5位(勝点11)

トップチームがリーグ最終戦を終えた翌日、レディースチームもなでしこリーグの最終ゲームを迎えました。フクアリで行われたINACとの試合には、今季最多3297人の観客が詰めかけ、メインスタンドの中央部分はほぼ満席でした。ジェフの営業がよく頑張ってくれました。11月の親子フェスタから来てくれたご家族もたくさんいたようで、ホームの最終ゲームをこれだけの雰囲気で迎えられるというのは素晴らしいことです。

試合は1-1のドロー。立ち上がりに幸先よく先制点を奪って、前半のうちは良いペースで試合を進めることができました。敵陣からの積極的なフォアチェックは健在。先制点は、INACがビルドアップのリズムをつかむ前に一気にバックラインにプレッシャーをかけ、最後は筏井さんが持ち前のシュートセンスで左隅に流し込んだ見事なものでした。その後しばらくはINACも浮足立った風があって、保坂さん深澤さんの推進力を活かして何度もゴールに迫って、実際惜しいチャンスもいくつもあった。結果的にここで追加点を獲れなかったことが響いてしまったのは残念ですけど、前線の連携は実にスムーズにいっていて、一緒に見たサポ仲間も「これはすごい、面白い」と高く評価してくれました。

守備面は、まぁもう一歩というところでしょうね。今季何度となく見たセンターバックのギャップを突かれて抜け出されるというシーンはありませんでしたが、結局今回も1失点。高瀬のミドルショットはもう見事の一言ですけど、その前の段階できちっとプレスをかけきらないといけなかった。実際一度はシュートを踏みとどまらせているんで、それをやりきって外に逃がすなりしなければいけなかったですね。

それでも、後半はみんなよく踏ん張ったと思います。60分以降目に見えて運動量が落ちて、中盤やサイドでの守備が軽くなってピンチを招くシーンが増えました。ゴーベルや田中陽子、増矢に引っ掻きまわされてしんどかったですけど、両サイドバックも1対1でしっかり我慢して自由を与えず、ハイボールは山根さんはしっかりキャッチしてくれて、粘って逆転は許しませんでした。よくがんばった。ESは10試合でシャットアウトゲームがひとつもなくて、ここは大きな課題。来季に向けて、しっかり立て直していきましょう。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

リーグ最終戦もレフトバックでフル出場でした。細川さんが退団して左の専門職は上野ちゃんしかいないという強烈なプレッシャーの中で、1年間ケガもせずにしっかりポジションを守り抜きました。まずはお疲れさま。小っちゃい体でよく走りぬきました。

サイドハーフが深澤さんと筏井さんとで入れ替わりながらになっていたので、全体のバランスを逐一変えながら、確認しながらのプレーになりました。パスを受けた時点ですでにタッチライン際に追い込まれていることが多くて、こうなるとちょっとやりづらいですね。少ないアクションで中にはたくとか、割り切って相手に当ててプレーを切るとかできればいいんですけど、ちょっと受けにまわっちゃって上手くいきませんでした。ビルドアップでの連携面は、上野ちゃんに限らずチーム全体として来季に向けて改善しないといけないかな。

小さなスペースを見つけてオーバーラップして、ときにはペナルティボックスの近くまで駆け上がることもありました。でもなかなかボールが出てこなくて、攻撃参加はいまひとつできずじまい。惜しかった。もうちょっと見てくれてればなー。終盤はけっこうバテちゃってましたけど、守備ではしっかり相手を見て、不用意に飛び込まずに我慢してチャンスを作らせませんでした。

対人・連携を含め、守備面はこの1年で本当に成長しました。身体の使い方や脚の出し方も守備職人のものだし、1対1でも冷静に間合いや相手の動きを見てアクションを起こせるようになっています。逆脚のキックやヘディングも十分使えるレベルになりました。トライしていることがしっかり成果として現れるようになっていて、見ていてなんとも心強いです。トレードオフとして攻撃の積極性がなかなか出せなかったのは残念ですが、守備の安定はチームとして必要なことでしたから、ある程度仕方ない部分もあったんだと思います。

今シーズンのジェフレディースは、年間で5位。これはジェフレディース史上トップリーグでの最高順位だそうです。強力な攻撃陣と息切れしやすい守備、なかなか安定しない試合もありましたが、三上さんの作ったチームは初年度からきちんと結果を出すことに成功しました。ただ、まだ道半ば。課題はたくさんありますから、人事を含めて来季に向けてチームをどう成熟させていくか、まだまだやることはいっぱいありますよ。

中2週空いて、来月は皇后杯です。今年は元日決勝。強敵は多いですが、ひとつでも上の順位に行けるように、がんばりましょう。トップチームが天皇杯で強敵を倒してベスト4に残っているわけですから、レディースにだってできないはずがないのだ。